効率的な酔い方について
会社帰りにビールを1杯ひっかけて、ふと時計を見る。おっ、走れば快速に間に合うかもしれない。各駅停車との差は3分だから慌てなくても良いのだが、その3分のために改札口まで駆ける。たった1杯のビールだが、血行が良くなって頭の血管がドクドク言っている。
この感じ、前にもあったよな。
快速電車の吊革につかまりながら記憶を呼び起こす。
おお、そうだ学生時代、それも下宿にいた1年の頃だ。
家からの仕送りから下宿代をひくと、手元には1ヵ月3万円近くが残る。親元離れて1年目、勉学に励むつもりでバイトもろくにしていないから、いつも金欠状態。仕送りが来るとまず、レコードを仕入れて、読みたかった本を仕入れて、焼肉食いに行って…すると、ほぼ1ヵ月を残して既にフトコロはかなり寂しい状況に陥る。それでも下宿だから仲間で毎晩のように夜は誰かの部屋に集まって飲む。みんな同じような状況にあるから、酒は大抵ペットボトルの大きな焼酎だ。月末が近づくと、まず飲むときの「つまみ」が寂しくなる。始めのうちは、さきいかやポテトチップスだったものが、キャベツと塩こしょうになり、ついにはただの塩こしょうをなめることになる。つまみだけなら良いが、酒がなくなってくると少量で最大の効果を得る為に、まず1杯飲むと下宿の周りをダッシュするのだ。たしかに飲んですぐ走ると、酔いが回る。それもすごい勢いで。確かに効率的な酔い方だった。そんなことをやりながら、貧乏だけど1年の頃は楽しく過ごしていた。2年になってからはバイトを始めたし、アパートで一人暮らしを始めたから飲んで走ることもなくなった。あの頃は二日酔いもしたことなかったな。
気付けばあの頃から倍の時間の人生を過ごしてきたんだ。
確実に言えることは、酒が弱くなったこと、くらいかな。
この感じ、前にもあったよな。
快速電車の吊革につかまりながら記憶を呼び起こす。
おお、そうだ学生時代、それも下宿にいた1年の頃だ。
家からの仕送りから下宿代をひくと、手元には1ヵ月3万円近くが残る。親元離れて1年目、勉学に励むつもりでバイトもろくにしていないから、いつも金欠状態。仕送りが来るとまず、レコードを仕入れて、読みたかった本を仕入れて、焼肉食いに行って…すると、ほぼ1ヵ月を残して既にフトコロはかなり寂しい状況に陥る。それでも下宿だから仲間で毎晩のように夜は誰かの部屋に集まって飲む。みんな同じような状況にあるから、酒は大抵ペットボトルの大きな焼酎だ。月末が近づくと、まず飲むときの「つまみ」が寂しくなる。始めのうちは、さきいかやポテトチップスだったものが、キャベツと塩こしょうになり、ついにはただの塩こしょうをなめることになる。つまみだけなら良いが、酒がなくなってくると少量で最大の効果を得る為に、まず1杯飲むと下宿の周りをダッシュするのだ。たしかに飲んですぐ走ると、酔いが回る。それもすごい勢いで。確かに効率的な酔い方だった。そんなことをやりながら、貧乏だけど1年の頃は楽しく過ごしていた。2年になってからはバイトを始めたし、アパートで一人暮らしを始めたから飲んで走ることもなくなった。あの頃は二日酔いもしたことなかったな。
気付けばあの頃から倍の時間の人生を過ごしてきたんだ。
確実に言えることは、酒が弱くなったこと、くらいかな。