Somethin Else | [A] Across The Universe

Somethin Else

サムシン・エルス / キャノンボール・アダレイ

キャノンボールがリーダー名義のアルバムだが、誰が聞いても実際のリーダーはマイルス・デイビス。

私は「枯葉」と言えば、このアルバムのこの演奏を真っ先に思い浮かべる。意表をつく導入部分から、マイルスのミュートを利かせたペットが歌いだす。

「かれは、よ」

嘘だと思うなら聞いてみればよい。マイルスのトランペットは「かれは、よ」と歌っているのだ。私にはそうにしか聞こえない。シビれまくりの名曲。


超ブルーノート入門(中山康樹、集英社新書)によると

麻薬中毒でレコーディングの引き合いのなくなった若き帝王マイルス。そんなマイルスとブルーノートの創業者アルフレッド・ライオンが毎年1枚アルバムを作ると口約束したのが1952年。しかし、その約束もマイルスがコロンビアと契約したことから、結局ブルーノートにはマイルス・デイビス オールスターズVol.1、2の2枚を録音したのみで終わる。
しかし、マイルスはライオンとの約束を忘れていなかった。1958年、キャノンボールをリーダーに立てる事によって、義理を立てようと考えた。マイルスは飽くまでサイドメンに徹しようとした。そのため、「Dansing in the Dark」では演奏からもはずれる。

演奏が終わり、エンジニアのヴァンゲルダーがマスターテープを箱に収納する。そしてライオンがその箱に書く。

「リーダー、マイルス・デイビス」