Just feelin' summer
Just catchin' season

今日、6/1は太田裕美のアルバム
「Feelin' Summer」が発売された日。

僕はアルバムの1曲目が好きなことが多いです。

テーマがあるコンセプトアルバムの場合、
1曲目はそのテーマのオープニング。
これからどんな世界を聴かせてくれるのだろうと
期待してしまうのです。

この「掌の夏」(てのひらのなつ)は
アルバム「Feelin' Summer」の1曲目。
ゆったりとしたオープニング曲。

歌詞に"Feelin' Summer"が出てきます。
実質的なタイトルチューン
と言っていいでしょう。

掌の夏太田裕美 1979年

この曲には3つの情景があります。
海の近くのカフェのテラス席、
午後の砂浜、夕暮れの砂浜です。

曲のタイトル「掌の夏」の

"手のひら"だけでなく、
それぞれの情景で、
"光"と"影"もキーワード

になっているようです。

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曲の1番は海辺のカフェのテラス席。
おそらく午前中ではないでしょうか。

潮風とグラスのひんやりとした手ざわり
私の手もとでソーダがはじけてあそんでる

入江にはヨットのゆったりとしたまどろみ
手のひらかざしてまぶしい日射しに眼を細める

光が彼女には眩しすぎるのかも知れません。
椅子にすわり、目の上に手のひらをかざして
海や白い坂道を眺めています。

頬杖をついて過ぎる時間パラソルの影が動く
ただ白い白い坂道眺める
今目の前にある景色は何故だかミスティ

パラソルの影が動くほど長い時間いたようです。
2番でも"かすむ"という言葉がでてきますが、
これは以前誰かと見た景色に似ている

のかもしれません。
その記憶はぼんやりしています。

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曲の2番は午後の砂浜。カフェを出て、
うすいピンクのヒールをぬいで砂浜に。
光の中に飛び出します。

さざ波のたわむれひとりはしゃぎのステップ
両手でかかげるヒールはうす紅サンゴ色

白い砂さらさらさくら貝とマニキュアが
手のひらなぞると光とまじって色くらべ

さくら貝は手の指のつめくらいの大きさの
小さなピンク色の貝です。

左手の手のひらの上にさくら貝を置き、
右手を手のひらに添え、光の下で
さくら貝と右手の指のマニキュアの色くらべ。

ヒールもうすいピンクでした。
きっとマニキュアもピンクなのでしょう。

膝頭抱いて過ぎる時間想い出が影を落とす
青い海原は神話に充ちてる
愛した人の顔記憶をたどるとかすむ

それでも砂浜にすわっていると、
悲しい想い出が心に影を落とします。
だけど青い海を見ていると
別れた彼の記憶もぼんやりしてきました。

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曲の最後は
夕暮れ時の砂浜です。

たたずんで伸びる私の影黄昏に淡くそまる

海辺にたたずむ彼女の影。
自分の影が見えているということは、
彼女の背後から光が差しているのでしょう。

あなたの気配に振り向いてみれば

振り返った彼女は何を見たのでしょうか？

何かが始まる予感を残して曲は終わります。

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「掌の夏」(てのひらのなつ)は
太田裕美のアルバム曲。
10thアルバムで夏のコンセプトアルバム、
「Feelin' Summer」の1曲目。

作詩来生えつこ、作曲浜田金吾(濱田金吾)
編曲戸塚修

1979年6月1日リリース。

このアルバム「Feelin' Summer」で
それまで作詞松本隆、作曲筒美京平で
続いてきた作家陣が一新。

作詞家として来生えつこ、
作曲家として浜田金吾を起用し、
シティポップ風への転換を図ったようにみえる。

浜田金吾は1979年～1980年にわたり
太田裕美に曲を提供。網倉一也と並んで、
太田裕美の中期のシティポップ路線を支えた。

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以下は過去記事の一部です。
浜田金吾の提供曲を２曲。

太田裕美の記事はこれで14記事目。

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掌の夏 (Feelin' Summer) 太田裕美 1979年