小さな 石ころです。
私が最初に嫁いだ先の姑は 脳梗塞を患い 半身不随で 杖をつき それでも 舅の手を借りながらでも 家事をこなしていた。
学生時代から知っている 家族。
先の夫は 次男であったが 親と同居していた。
姑は実の母ではない。
産みの親は彼を産んで 間も無く 病にて亡くなったと聞いた。
4人姉兄の末っ子として 産まれた彼は 幼い頃にやってきた継母に 溺愛されたのである。
舅も姑も 韓国、朝鮮人の人権を守る団体のトップとして 皆に慕われ 尊敬され 一目置かれてる人なのだ。
学生の頃、良く顔を合わせては 彼に 嫁に来いよ❣️と、100%冗談で言われたものだ。
それがだ…現実に結婚話が急浮上した訳で(O_O)
私は その頃 実家を出て 料理屋の親方家族の家へ居候をしながら 行く末は 店を持ち 自立した人間になろうと 料理や 仲居の修行を積んでいた頃で…
実家の食堂を手伝っていた事もあり 牛刀など 刃物の扱いは慣れていたのだ。
ある日 突然に 姑の下につく相談役が 私のところへやって来て 先の夫に会って見ないか?と言うのだ。
まあ年頃の娘に来る話だから 結婚話だとはわかっていたけど…何せ うちの親が 彼方此方で 例の 積み木崩しの話を ばらまいて私の事を「あばずれの傷者」と言いふらしていたから 私に結婚話を持って来るなんて 何かの間違いでは無いかと思ったさ。
私は 歳上の人の話を 鼻っから断る しっかり者ではなくってねえ〜😓
知らない人でも無いから 会って話すくらいなら 良いよと受けたのだ。
そして 当日。
久しぶりに会った彼は 青年時代より たくましい身体つきになっていた。
強面の雰囲気丸出しの彼は 穏やかな口調で話す人だった。
「今日 会ったのは この話の相手が 君だったからで。
結婚を前提として 付き合って欲しい。
結婚を考え無いのなら 無駄な付き合いはやめよう。」
いきなり⁉️ Σ(゚д゚lll)
私は 自分の親が 言いふらしてる話を知らないのか?と問いた。
「知ってるよ☺️
そんなの なんとも思って無いよ。
正直な話、うちの親は 頑固だし 厳しいし…それから 母親は 身体が不自由だ。
うちに嫁いだら 苦労はするだろう。
しっかり守るよ。
絶対 幸せにするよ。
裸で嫁に来いよ❣️」
そう言われたのだ。
私は 自分の姉の 失敗であった結婚を目の当たりにしていたから 結婚するまでは 男って 良いことしか言わない者だと思っていたのだが 自分の親の不自由さを 正直に話す彼に 感心したのだ。
いつかは自分の店を持つ…
それは 私の夢ではなかった。
私が自立して 誰にも頼らず生きていくために 今、自分ができることとして 描いた思いである。
私が描く夢とはなんだろう…
それは 私を 1人の人間として 守ってくれる家族がいる事…
手を繋いでくれる 家族がいる事。
それが私の望む事なのだ。
もちろん 画家にもなりたいと思ったし 文章を書く仕事にもつきたいと思ったし 楽器ひとつ 学びたいとも思ったけれど それは 学生時代に 誰もが描く理想であって 決して 未来予想図では無いのだ。
家を飛び出し 行くところもなく バス停で雨宿りして 今の料理屋の親方に救われ 居候をしている私が 心から求めていたのは 自分の絶対的な居場所、帰る家、家族だったのだ。
夕暮れは嫌いだった。
人々が 家路に急ぐ 夕暮れの風景を見るのが辛かった。
灯の灯る 家の窓を見ると もしかしたら その中では 大ゲンカしてるかも知れないし 背中を向け冷たい雰囲気を漂わせているかも知れないけれど それでも 帰る家があり 温かい布団で眠りにつけることが 1番の幸せなんじゃ無いかと 自分の今 置かれてる立場を恨めしく思っていたから 夕暮れが嫌いだった。
家族ができる…
私は 彼の 言葉に 静かに頷いた。
彼は 満面の笑みで 私を見つめた。
私の存在が こんなに人を喜ばせているのか…
ー小さな 石ころー
