ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番 | JohnnyClassic

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ロック・ヴォーカリストJohnny が、厳選し紹介する
次世代にも引き継いで行きたいクラシックの名盤選集です
このブログで、クラシックを好きになってもらえると嬉しいですね ♪

【指揮】 ヨエル・レヴィ

【演奏】 マルティノ・ティリモ

     フィルハーモニア管弦楽団

【録音】 1982年

 

このブログでは、もし見て下さった方が興味をお持ち頂き、CDを購入されたいと思われたら、と思い、基本的に入手しやすい国内盤を挙げてきました。国内盤が出ているという事は名盤の証でもあるし、また、輸入盤まで手を出していると個人的なコレクションの収拾がつかなくなるので。

 

しかし、ここで遂に輸入盤です、しかも超マイナーなaltoからの盤

 

以前は、グリモーのを選盤し、暑苦しく書いていましたが(その分閲覧履歴も多かったですが)、色香に惑わされていたようです、正気に戻りました(笑)。数年前、韓国のファンには丁寧な応対で、日本のファンには塩対応だったので、いくら綺麗でも、あーそういう人の演奏は聴きたくないな、と思いました。

 

時にミュージシャンの事を知り過ぎると、性に合わない事に気付いたりします。こちらが一方的に音楽を聴いているだけですからね、当然性格など分かりません。分からない方が幸せかもしれませんね。以前、メタルのミュージシャンのミーグリに参加した時、何人かのメンバーの態度が悪くて嫌いになり、アルバムを全部放出した事がありました。これも以前書きましたが、好きだったヴァイオリンのクレーメルにもがっかりきて嫌いになりました。

 

また、前から何度も言っている気がしますが、女性奏者の顔で選ぶと、後々必ず後悔します、人生経験ですね(笑)。自分の彼女ならいいんですけどね、そんな事はあり得ない。他の男と結婚して、必ず演奏も堕ちていきます。なので、できるだけジャケ買いしないよう、自分に歯止めをかけています。アリス沙良オットちゃんなんかも危ないですね、もう少しでコンサートのチケットを買いかけましたよ。もっともショパンが好きでない私なので、踏み止まれました。いや、暇なら行ってしまうかも(笑)。

 

ツィメルマンのコンサートもショパン。猫も杓子もショパンでうんざりします。そのツィメルマンのラフマニノフの2番のCDも、息子はバカボンにしか育てられなかった小澤征爾さんの支えを得て、解釈はとても良いのですが、いかんせんあの人は弾いている時にハミングするんですよ、有り得ないです。私は、鼻息が録音されないよう、鼻の穴にティッシュを詰めてまでして録音した帝王カラヤンを尊敬します。

 

グリモーの盤も今回改めて聴いてみると、あれ大したことないな、と。これは差別ではないですが、他のも沢山聴きましたが、やはり女性奏者のは一様に打鍵が弱い。ラフマニノフって、あんな大男なのになぜか女性奏者からあほみたいに好かれていますが(嫉妬)、そもそも198cmの大男が書いた曲なのだから、小柄な女性が弾くとニュアンスが全く異なってきます。やはり男性の方がしっくり来る様に思います。

 

そこで、良い盤はないかなぁ、と散々聴きまくりました、Spotifyは本当にいいですね、10代の頃にこんなのがあったら勉強しなかっただろうな。最終的に見つけたのがこの盤です(前置き長くなり過ぎ!)。

 

指揮者も奏者も、勉強不足で今一つ知らなかったのですが、まずテンポ感が私の趣向と合いました。テンポ感は一番大事ですよね。この曲はカラヤンの名盤もありますが、あの様に大仰にならずに室内楽的な演奏の方が好みです。最近の録音で、清澄な音を出している盤がないか調べましたが、残念ながら見つけられませんでした。

 

この盤の録音は1982年とちょっと古いです。1995年にイギリスで賞を取っているらしく、理由は分かりませんがこの度2022年に再発され、購入しました。マイナーながら案外息の長い盤なのですね。

 

音はやや籠っているところもありますが、瑕疵は一切ありません。むしろ1982年のEMIなら上出来な音です。


始まった瞬間から弦楽陣の演奏には安定感があります。ホルンの演奏に何とも言えない滋味がありうっとりします。1楽章の締めは管弦楽がバッチリ揃っていて素晴らしく、興奮させられます。

 

そして主役のティリモ氏のピアノ。最初は遠慮がち?に始まりますが、メリハリが良いですね、弱音はとても美しく、後からはガンガン叩き出します。音色がとても綺麗。1楽章の7分近くの盛り上がる箇所、あの解釈を重視して色々な盤を聴きました。ツィメルマンも解釈は良かったのに残念です。悪魔的な感じで弾く解釈が好きですが、ここでのティリモは快速テンポでノリノリ、弾くというよりまさに叩きつけていて、聴いていて快感です。女性奏者の大抵はここが弱いですね、また技術がないのかスローダウンして弾いたり。

 

2楽章の解釈も重要。溜めがなく淡白で感情面で不足している演奏や、反対に遅過ぎて弛緩している演奏があります。この盤での指揮者の解釈はベストです。身を委ねて浸る事が出来ます、お陰で1回目に聴いた時はそのまま眠ってしまいましたよ(^^;) ティリモの繊細なタッチと弾き方が素晴らしい。やはり氏はメリハリがあっていいですね。男女問わず私が嫌いな派手さが売りでメジャーレーベルと契約している様なピアニスト達と違って、氏の演奏はもう手放しで絶賛致します。寄り添う弦楽陣も美しい事。


3楽章の盛り上がり方も良い。やはりこのティリモの飽きさせない打鍵と速いテンポがいいですね。ベートーヴェンのピアノソナタ集を聴くとそれ程テンポが速くなくて、あれ、と思いましたが。この盤は文句無しです。

 

実は、シャイー氏のラフマニノフ交響曲・ピアノ協奏曲第2番のBlu-rayについて書こうかと思っていましたが、イマイチピンと来なくて。交響曲は、プレヴィンのCDで慣れ親しんでいたはずが、こんなに難しい曲だったかな?と。協奏曲の方は若い日本人の男子が弾いてますが、私の年齢的に喜んで聴く類いではないですね。可哀想だからあまり言わないけど少し硬かったかな。Blu-rayは売り払いました。


という訳で、今のところラフマニノフの人気曲の2番は、国内盤からは気に入ったものはなく、この盤に決まりました。カップリングのパガニーニの有名曲もとても良いです、オーケストラ版は持っていなかったので重宝します。CDの入手は難しいかと思います、SpotifyやiTunesでは聴けますので、ご興味ありましたら是非。実はこの2番はそのドン暗さにあんまり好きになれなかったのですが、とても気に入っているいい演奏です(^-^) ジャケットもいいですね、ご本人もちゃんと写っていて。