小机城付近の散歩、今日は2⃣小机城の概略を話します。
駅から程ないところに、小机城があります。
入り口にある根古屋という場所へ。
この「根古屋」というのは、城のふもとにあった城主の館、家臣の屋敷地になります。
中世時の城主は平時は麓に居住しており、戦闘時になると城に詰めるという形が基本でした。
この小机城は、いくつかの見どころ別にみていきます。
【空堀・土塁】
小机城は、城を囲うように堀跡が残っています。
また、堀の両側には土塁を巡らせており、後北条氏の築城術の典型「二重土塁」が残されています。
本丸の防御と敵の攻撃に対抗するために造られ、麓から攻めてくる敵に、上から弓や槍で攻撃できるようにしています。
戦国時代の主な武器は刀(抜刀)ではなく、遠距離から攻撃しやすい弓であり鑓であり、さらに後年は鉄砲となっていきます。
【櫓跡・井楼跡】
遠くの敵を見つけるために造られた見張り台や武器を保管する兵器庫があったといわれています。
【本丸・二の丸】
実は、どちらが本丸でどちらが二の丸かは、正確にはわかっていないようです。
西郭の方が本丸で、東郭の方が二の丸と、一応は位置づけています。
(本丸・西郭)
(二の丸・東郭)
東郭は、初期小机城の本丸であったと思われ、後北条氏の武蔵国進出に伴い、東郭から西郭に向かって大規模に改修したものと考えられています。
西郭と東郭はつなぎの郭を介して結ばれており、行き来できる構造となっています。
【櫓台】
小机城では高いところに位置するこの場所は、東郭と西郭をつなぐとともに、物見櫓があったのではないかということです。
城域全体を監視するだけではなく、南側から東郭、西郭に侵入した敵に対して側面攻撃を行う、防御施設としての役割も担ってきました。
小机城は中世城郭であるため、いわゆる近世城郭の天守閣や石垣などは存在しません。
典型的な東国の土塁と空堀を使った中世城郭です。
しかし、あっという敵規模の空堀などを見れば、往時をしのぶことは可能です。
徐々に歩いていきたいと思います。
続きます。
(日時指定投稿です)