「ファーストラヴ」総評 | “GIGS”CASE OF JOGIH

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ファーストラヴ



(ネタバレありっ!)

(評価の記号は全て下記の通り)

★★規格外で良かった

★めっちゃ良かった

◎良かった

○フツー

△イマイチ

×駄作


主演:北川景子

その他出演:

中村倫也 芳根京子 木村佳乃 板尾創路

窪塚洋介 


「ファーストラヴ」は

ヨシキョンは助演。

本作メイン事件の被告人。


美術大教授殺人事件の被告人とその被告人に

接見する臨床心理士。

事件の真相を追うとともに裁判に臨む様子が

本作のストーリー。

それに伴って被告人と心理士、2人の女性が

幼少期に受けた性的なトラウマを克明に描いた

作品。(強姦を受けたわけではない)


*聖山環菜(ひじりやまかんな:芳根京子) 

本事件の被告人。

被害者とは父娘(血縁関係はナシ)。

民放アナウンサーの面接を受けた後、父親の

勤める大学にて包丁で父親の胸を刺し殺害した

とされる。

取り調べに対し容疑は認めるものの「動機は

そちらで見つけてください」と供述し世間の

注目を集めてしまう。 


* 真壁由紀(まかべゆき:北川景子)臨床心理士。

引きこもりの子どもやその親の問題を扱う事が

多く、またTV出演や書籍発表などもする知名度

の高い心理士。

新しい書籍出版に向けて聖山環菜の取材をする

事に。


*庵野迦葉(あんのかしょう:中村倫也)

聖山環菜の選任弁護士。

真壁由紀とは大学の同窓生かつ一時期、恋愛

関係にあった。

さらに由紀の夫、真壁我聞の弟(血縁上は従兄弟)。


*真壁我聞(まかべがもん:窪塚洋介)

由紀の夫。庵野の兄(血縁上は従兄弟)。

写真館を営む。

思慮深い優しい人柄。


*聖山那雄人(ひじりやまなおと:板尾創路)

環菜の父親。

画家であり、美術大学の教授。

環菜は妻の連れ子であり血縁関係はない。

環菜が小学生の頃、絵画教室を開いていた。

そこで環菜をデッサンモデルに起用する。


*聖山昭菜(ひじりやまあきな:木村佳乃)

環菜の実母。

大学時代、那雄人とは別の男性の子を身籠った

が、その男とは別れて妊娠したまま那雄人と

結婚。那雄人の強い熱意に押されての事だった。

それ故、那雄人には頭が上がらない。


*小泉裕二

元コンビニエンスストア店員で現在はゲーム

センター店長。

10年前、家を追い出された環菜を自宅で保護した。

環菜曰く"初恋の人"。

環菜の人格形成の背景

小学生高学年の頃、那雄人の絵画教室にてモデ

ルをさせられていたが、教室の生徒は那雄人の

大学の学生で男性のみ。

加えてモデルとして自身の他に全裸の男性2人

と一緒に並べさせられ、“自分以外は全員大人

の男性で彼らに囲まれる”という異様な環境下

に置かれる。

これが元で自傷行為を繰り返すようになる。

傷を付ければモデルをやらなくて済む、と考え

た上での事だった。

父は激怒し環菜を家から追い出してしまった。

その際、近くのコンビニ店員・小泉裕二に優し

く接してもらい、家に帰りたくないという思い

から小泉の自宅に泊めてもらう事に。

以降も小泉の自宅に自らの意思で泊まる事が続

いたが小泉はやがて歪んだ欲望が膨らみ環菜の

体を触るという行為に及んでしまう。


やがて父親の耳に入る事になり父親が小泉の

自宅に押しかけて環菜は連れ戻される事に

なる。

以降も何度か環菜は小泉を訪れるが小泉は

世間体や通報を恐れて環菜を追い返した。


また大人になってからも何人かの異性と恋愛を

するが「男はすぐにセックスをしたがる、優し

いのは最初だけ」などと由紀に対して吐露して

いる。


少女期に上記のような体験をした事や大人に

なってからの恋愛で環菜には男性への諦観、

軽蔑、恐怖といった感情が植え付けられたと

思われる。

真壁由紀の男性観

小学生高学年の頃、父親の車のダッシュボード

から大量の少女の写真を見つけてしまう。

その時は意味もわからず不審にも思わなかっ

たが成人式を迎える際母親から父親の性癖を

暴露される。

由紀が小学生の頃、父親は海外出張が多く出張

の度に現地で少女買春をしていたというのだ。

由紀はその時初めて、大量の写真の意味を知る

事になり強い嫌悪を父親に抱くようになる。

思えば父親の目が異常に恐ろしかったのも同時

に思い出した。


このように環菜と由紀には、少女時代から男性

の異常な性癖と隣り合わせだったという共通点

があった。

由紀は自身の体験を晒す事で環菜と距離を縮め

環菜の少女時代を深く掘り下げようと試み、

父親刺殺事件の動機に繋げて減刑を狙おうと

する。庵野もそれに協力する。


かくして裁判の最終審理で環菜は事件当時、

何が起こったのかを法廷で証言する。


まず証言台に立ったのは母親、昭菜。

なんと検察側の証人として。

環菜がいかに扱いにくくて平気で嘘をつき、

父親との折り合いが悪いかを証言し殺人を犯し

たとしてもなんらおかしくない旨の証言を

続ける。

また環菜の人格形成に深く影響を及ぼしたとさ

れる絵画教室のデッサン会については自分は夫

から「デッサン中は邪魔だから家に居るな」と

言われていたので、そこで何が起きていたか

知る由もない、父親が傍に居るのだから学生達

が環菜にいたずらなどしようがない、と全く

無関係で事情も知らないと言い切る。


しかし弁護側の反対尋問で、実はデッサン会の

様子をよく知っていた疑いが暴かれ「とにかく

知らない」で突き通した。


次に証言台に立ったのは小泉裕二。

10年以上も環菜とは連絡を絶っていたのに

何故、今証言する気になったのか問われると

「罪の意識」と答えた。

環菜の家庭に複雑な事情があるのは想像できた

はずなのに面倒になりたくないという思いで

環菜を突き放した事。

また3歳の娘の父親となった今なら、当時の環

菜に、当時とは違った対応ができたのではない

か、という思いも漏らす。

小泉の証言が進むにつれ被告人席の環菜は徐々

に涙を溢れさせる。


最後に環菜が証言台に立ち最終審理が行われる。

アナウンサー試験の後、包丁を購入し父親の

職場へ向かったのは「父の前で自傷行為を行い

許してもらおうと思った」から。


女子トイレに父親が現れると「お前がそんな

おかしい事をするのはお前の母親のせいだ、

今から母親を呼んでお前を病院に連れていか

せる」といい昭菜に電話しようとすると環菜は

急に取り乱し電話を阻止しようと揉み合いに

なり、その際に不可抗力で父親の胸に包丁が

刺さってしまった。

仰向けに倒れた父親はギロリと環菜を凝視した

まま意識を失う。

環菜は怖くなり救急車も呼ばず警察にも通報

せずその場から立ち去ってしまう。

これが事件の全容だった。


倒れた父親を何故助けなかったのか、という

問いに「父の目が怖かった、ずっと怖かった、

その視線から逃れたいと思っていた、このまま

逃げれば父の視線から解放されると思った」

と証言する。


傍聴席に居た由紀はそれを聞いて自身の父親に

感じていた思いを重ねる。

デッサン会で受けた大勢の男性からの視線、

傍で裸の男性モデルが立っている事、デッサン

会後の打ち上げで学生達から身体を触られたり

交際を迫られたりして、いつ怖い目に遭うか

わからない状況でも両親は助けてくれない恐怖

・・・。

それから逃れる為に自傷行為をして父親から

「暫くデッサン会に出るな」と言われた事。

これを環菜は成功体験として捉えていた。

つまり、困った事があれば“自傷行為を父に

見せる事でクリアできる“と自身にインプット

してしまったのだ。

だからアナウンサー試験の失敗も、そのイン

プットされた一連の行為で乗り切ろうとした。

見つからなかった動機とはこの事だったのである。


後日、判決は下り懲役8年の実刑に処された。

殺意の否定は叶わなかったが青年期の健全な

育成環境にはなかった事も認められた。


刑務所の中から由紀、庵野宛に感謝の手紙を

送り物語は幕を閉じる。


とまぁ長くなりましたが拙いながらあらすじ。

ヨシキョンの最大の見せ場は裁判の最終審理の

場面でしたね。

証言を続けるうちに次第に涙を流し最後の方は

声も掠れさせて熱演だったと思います。


また中盤では真壁由紀にも庵野迦葉にも心を

開かず、若干精神異常気味に振る舞って相手を

躱すなど、さまざまな演技を見せてくれました。


オロオロ芸だけでなくシリアスな難しい芸も

こなすと証明してみせた本作のヨシキョン

だったと思います。


ストーリーとしては・・・う〜ん、やっぱ映画

って2時間しかないからか展開早いし人物描写

や内面の描写がもの足りないな〜というのは

否めない。

感情移入する前にどんどん話が進んでいっちゃ

うカンジ。


主要人物の2人の女性の少女期の性的トラウマ

を元に起こってしまった事件の真相を暴いて

いくサスペンス劇、といったところでしょうか。

ストーリーあんまり覚えてない^_^;

この総評書く為に一部再視聴したぐらいです。

というワケで評価は○(フツー)です。

そんな作品でした。