「弾丸(たま)んねー」というキャッチタイトル。
撃って撃って撃ちまくる、25000発の弾丸をぶちかます、映画史上空前の大銃撃戦が見られる映画とのこと。
キャッチタイトルにかけてなのか何なのか、サプライズで、タマのないニューハーフタレントの「はるな愛」と、グラビアアイドル?の小林恵美のトークショーが付いていた。

「一匹狼のガンマン、スミスは、妊婦から死に際に託されたベイビーを守るため、昔なじみの娼婦ドンナと共に派ーつ率いるマフィアに決死の戦いを挑む。」(チラシより)

主演はクライヴ=オーウェン、セクシーなモニカ=ベルッチが乳児プレイ専門の娼婦を演じ、名優ポール=ジアマッティが悪役のボスを演じる。
なかなかに豪華な顔ぶれ。

しかし、ストーリーはとにかく「撃ちまくる」、というキャッチタイトルに見合った内容。
なぜかニンジンをかじってベンチに座っているガンマンが、男たちに追われる妊婦を目撃することからストーリーは始まる。
でもって、ニンジンを男の顔面にブスッとやったかと思ったら、一気に銃撃戦の開始。
もうあり得ない銃撃戦の連発なのだが、主人公がスタイリッシュでカッコいい。
妊婦と共にマフィアから逃げながら、奪った銃でガンガン撃ちまくるのなんてほんの前菜にすぎない。
オイル缶をぶち抜き、オイルに滑り込みながら、前後左右の敵をやっつけまくる。
そうかと思うと、生まれてくる赤ちゃんのお産を手伝いながら、撃ちまくる。
妊婦が撃ち殺された後は、赤ちゃんを片手に抱きながら、ガンガン撃つわ撃つわ。
どっから拾ってきたのかバックパックに赤ちゃんを入れて、ロープを滑り降りながらクルクル回転しながら、マシンガンをぶっ放す。
その後、ストーリーは様々な展開を見せ、銃器メーカーと政治家の癒着や、なぜ妊婦が狙われることになったのか、きちんと描かれてはいるんだけど、とにかく銃撃戦の場面のカッコよさに目を奪われて、スタイリッシュなガンアクションを心底楽しめる映画に仕上がっている。
何せ、女性と愛を交わしながら、体位を変えてはマフィアを撃ちまくるなんて、あり得ない。
シティーハンターだって、ここまでしなかったでしょ。
でもって、ポール=ジアマッティが演じるマフィアのボスも、イカレ加減が最高で、これまた素晴らしいキャラ作りになっている。

あり得ない銃撃戦に、予想不可能な展開、ちりばめられたユーモアに時折爆笑しつつ、素直に激しいバイオレンス・ガン・アクションを楽しむ。
最後の最後は、ここまでやるか、と驚かされる戦略で危機を乗り越えてみせる主人公。
B級映画かな、と思っていたら、予想以上に楽しめる作品だった。
ガンアクション+キャロットアクションを楽しめる、スタイリッシュな映画であった。