実話の映画化。
MITの学生たちによる、天才だけに許されたブラックジャックの戦略、カウンティングを武器にラスベガスのカジノで大儲けした実話……その後、MITの学生はラスベガスのカジノから出入り禁止を食らったとか。
ラスベガスのカジノ、これには僕も素敵な思い出……と言っても、軽く楽しんだ程度で大当たりしたわけではないけど……があるし、ブラックジャックも好きなゲームなので、そのスリリングな展開に期待を持って見に行った映画。

MITに通いながら、ハーバードの医学部への進学を目指す学生ベン。
もう、その時点で凄い天才だな、と思わされてしまうのだが。。。
しかしながら、ハーバードの医学部の学費はなんと30万ドルもかかると言う。
奨学生になる試験を受けるが、人生において「誰にも経験したことがないような実体験」がなかったがため、天才的な数学能力を持ちながらも、残念ながら奨学生にはなれなくなる。
ちょっとしたバイトで給料が上がったところで、到底追いつかない。

そんなある日、授業の中で、教授にその能力を認められ、研究チームに誘われる。
そこには憧れの女性の姿も。
最初は断るベンであったが、オタク軍団の一人でしかなく、ある種の孤独感を持ってきた彼は、憧れの女性からの熱心な誘いに応じて、「ハーバードの学費のため」と割り切って、チームに入ることにする。
そのチームでは、ブラックジャックで必ず勝つ方法である、カード・カウンティングを徹底的に習得し、ラスベガス攻略を試みていた。

「学費を稼いだらチームを辞める……」最初の思いはどこへやら、ビジネスとして勝ち続けるうちに、ラスベガスでのスリリングでセレブな暮らしにすっかり魅了された彼は、ボストンでの地味な学生生活に満足できなくなっていく。
ついには、ロボット競技会で共に優勝を目指していたオタク仲間とも決別、ラスベガスでのビジネスにますます熱を上げ始める。

そんな折、カジノのルール違反者の取締官たちに目を付けられ、徐々にベンとチームには巨大な暗影が漂い始める。
ビジネスとしてのブラックジャック……度を越えたらいけない、そして「ギャンブル」に走ってはいけない、そのルールを忘れたときに、リスクは一気に大きくなる。。。

もっともっとカード・カウンティングについて紹介してもらえたらありがたいのだが、さすがにそれはなかった。。。ま、素人が覚えようとしても無理な技術なんだろうけど。
しかしながら、チームでラスベガスを攻略し、セレブな暮らしを満喫していく様子は華々しく、また、取締官との駆け引きは実にスリリングであり、また、所詮は大人に利用される学生たちの様子や、ビジネスとギャンブルの垣根を越えてしまう心理は、実にリアルなものであった。
天国と地獄とを味わいつつも、最後は大人を出し抜き、しかしながらもどんでん返しも食らいつつ、最後はスカッとした後味に仕上がっている、山あり谷あり、笑いあり、のドラマ。
十分に楽しむことができた。

しかし、カジノやギャンブルで、必ず勝てるルールがあって、それを身につけるだけの能力があったら、一攫千金も夢じゃないんやなぁ。。。天才とは、やはり凄いもんだわ。