「スペインで1,000,000人が絶叫した」
「既に続編や、ハリウッドでのリメイクが決まっている」
そのうたい文句を聞いて、怖いもの見たさで見たくてたまらなかったP.O.V.リアルパニックムービー。
いわゆるポイント・オブ・ビュー、TV番組のクルーの視点で描かれる映像、生録画の映像として見せる映画。
手持ちカメラ(風)での映像だけが頼りなので、この手の映画では、全てを見ることができず、全体像を想像しながら見ることにより、恐怖感が増し、また、映画内での出来事を生々しい出来事として感じ取ることができる。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や、「クローバー・フィールド」が代表作だが、本作はそれらに負けず劣らずの圧倒的な迫力と緊張感を届けてくれた。
見終わった後は、背筋の鳥肌がしばらく治まらず、冷や汗をかいていた。

「2007年、スペイン、バルセロナ郊外。ローカルTV局の若い女性レポーター、アンヘラはカメラマンと共に消防隊の密着取材をしていた。深夜、 老婆の叫び声を聞いたという通報を受けて現場アパートに急行すると、そこにはこの世の者とは思えぬ老婆の姿があった…。その後、突如、封鎖されるアパー ト。その中で拡がり出す、”ある病原菌"。閉ざされた空間で、究極の恐怖に直面することになった人々には、隠れ、逃れ、必死に生き残ろうとする以外、術が なかった。次第に露になる謎、明らかになるほど増していく恐怖の出来事を克明にカメラはとらえ続ける。女性レポーターとカメラマンが最後の一瞬まで記録し ようとしたもの。それは、逃げ場のない、旋律の事実。」(チラシより)

まず、何の変哲もなく、どちらかと言えば退屈な消防署取材で幕を開ける本作。
夜の消防署の密着取材……だが、ベルは鳴り響かず、平穏に時が過ぎていく。
それが、家事でも何でもない、ちょっとしたアパートでの騒動に出動した時から、突如ストーリーがジェットコースターが高速で坂を下り続けていくように恐怖のどん底へと観客を引きずりこんでいく。
全体像が見えない恐怖、老婆の叫びは何を意味するものなのか。
おぞましい老婆の姿が意味するものは何なのか?
アパートに蔓延した病原菌の正体は……???
そして、必死に生き延びようとする中で、次々に感染が拡がっていく恐怖。
ラストシーンまで、恐怖のどん底に突き落としてくれるP.O.V.ならではの効果を堪能できる作品。

続編に、ハリウッド・リメイクが非常に楽しみ。
ただ、こういう映画は、暑い夏場にこそ見たい作品。。。