問題発見解決能力と聞いた時、「問題解決能力じゃないんだ。なんでわざわざ発見を入れているんだろう?」と思われる人も少なくないようです。

なぜ問題発見解決能力なのか、それは発見されて初めて問題は問題になるからです。誰にも問題と思われていないことに関しては、当然、誰も解決策を考えたりしません。だから、問題を発見する力を育てる必要があるんです。

例えば、昔、町の金融業者の学生ローンを利用して、雪だるま式に増えた借金に対応できなくなってしまい、大学を止めることになった学生が大勢いました。このような不幸は問題発見能力があれば、避けられたはずです。

まず、契約書自体に問題があったはずです。次に、その学生の生活にいろいろな問題が潜んでいたと思います。収入と支出の問題、お金の使い方の問題です。また、金融業者の取り立て方にも法的な問題があったはずです。

しかし、その学生たちは、そのような数々の問題に気づかずに、自分を追い詰めて行ったんですね。東京の大学に通うために故郷を離れ一人暮らし。本来であれば、大いに自立心が磨かれる良い機会となったはずが、問題発見能力が不足している子にはハードルが高過ぎたということなのでしょう。