初夏の空は好き




50も手前の歳のため、
ことごとく書類選考で落とされていたが
ポツポツ面接にいけばなんとかなる、
片手ほど面接できたら一社決まるだろ、くらいに思っていたが
本当にうちにきてくれと言ってくださる奇特な会社さんがあらわれた。
6月中旬には次の目処がついた。



拾う神はあるのだろう。



しばらくなんだかなあ、なつらい時期だったので
息子にたのんで小学生の頃、作ってくれたお守り(石を削った勾玉みたいなもの)をよしよししてくれ、
キミのパワーを新たに分けてくれ、と頼んだ甲斐があったにちがいない。
18歳の息子はいいやつだ。
「よしよししたろ、面接がんばれ」と
そのお守りをよしよし撫でてパワーをくれた。


そうしてそれを握って面接に臨み、
ほぼほぼ正社員の椅子で決まったようだ。
(入社日も言われたので大丈夫だと思う)


糞社長から話があってから
一カ月ほどで
ほぼほぼ次が決まるなんて、私わりと優秀なほうじゃなかろうかと勘違いしてもいいほどだ。




悲しいお祈りメールを何十通も受け取り流ししながら、(100はいってないはず)
それでも前に進んでよかった。



和式トイレではなさそうな
新しいオフィスのいい匂い自体が泣きそうなレベルだ。

和式トイレしかない今のボロボロ事務所とちがい
観葉植物まで手入れされてピカピカだ。

これくらいきれいならトイレ掃除くらい固定でもやるから雇ってくれ、と言いかけてやめてよかった。


決まるまでだらだらしたらいいやん、と私にいてほしい営業さんなどは言ってくれていたが。


私は「いらない」と糞経営者に言われても、
気にせず正社員だから、とその場に留まれるほど太いハートじゃない。


水面下で足掻いては溺れていたが
ついに息継ぎくらいはできそうな気がする。


いつも立ち寄る立ち呑み屋で新酒一本買って家で飲もうと思っていたが、売り切れで(店では飲める120mlくらいがラスト)買い損ねた上に店員さんに話しかけているときに「ここで飲み」とお姉さんに誘われ(私より年配ではあるがキュート系)
買い損ねた新酒を隣で飲む羽目となり、初めて出会ったお姉さんは2年めの未亡人とのこと。
やっと笑えるようになったが偉大なご主人だったと話してくれた。


いつも支えてくれる、
むしろ自分の命よりもはるかに尊い存在の相手を失ってもこんなに明るく生きていけるものなのだろうか。


電車時間もあり、明日も弁当&仕事で
話は半端でもお姉さんが奢るといって聞かないため、自分の伝票(一杯分450円ほど)は置いてきた。



またお会いした際には私が奢らねば、と思う。



ただ飲んだくれているだけのように見えて
そこにいる人は「そこにいる」というだけで、案外がんばっている。
皆、切実だ。



その飲んだくれの中に私もいる。