映画「マシュー・ボーンの白鳥の湖」
2016,12.10(Sat) アミューあつぎ映画.comシネマで鑑賞。「白鳥の湖」がクラシックバレエ作品であることを知っている人は多い。チャイコフスキーの音楽も有名です。でもストーリーをちゃんと知っている人、実際に劇場に足を運んで全幕鑑賞した人は少ないのではないでしょうか。という私も、「白鳥の湖」を観たのはつい最近、市内のバレエ発表会でした。プロアマ混合の舞台でしたが、前もって予習したストーリーはなぞることはできました。”瀕死の白鳥”などガラ公演を除くと、全幕は今のところその1回。普通に暮らしててなかなかバレエ白鳥の湖全幕を見る機会などありません。聞きかじり程度、または知らなくて当たり前なのです。エトワールとかプリマとか呼ばれる、スタイルがよくてダンスも上手いトップバレリーナたちが可憐に舞う白鳥の踊り。羽飾りのついたティアラと純白の衣装。それが「白鳥の湖」の一般的なイメージでしょう。例えば芸人が似たコスチュームを着て、下手な踊りを見せて笑いを誘うという図は、よく見てきました。パロディになるくらい世間一般の人々には、「白鳥」の共通したイメージが強く刷り込まれているのです。だから男性が踊る「白鳥の湖」といわれると、キワモノ、サブカル的なものを想像して、興味の対象ではありませんでした。しかし、これがまったくの誤解、認識不足でした。映画「マシュー・ボーンの白鳥の湖」は、1995年に初演された舞台作品を最新の撮影技術を駆使して映像化したもの。バックステージは一切なく、本公演を絶妙なカメラワークを通して余すところなく見せてくれるスタイル。観る前は、従来女性が踊っていた白鳥のパートを男性が踊る以外、作品の雰囲気にさほど違いはないものと思ってました。音楽はそのまんまチャイコフスキー。しかし、ボーンが創りだした男性ダンサーが踊る白鳥は、野性的で威嚇的で、かなりキャラが違う。時代設定も現代に置き換わり、ストーリーも古典を踏襲しながらも、オリジナリティあふれるものになっている。ダンスもビバップ、ディスコ、タンゴ、フラメンコなど様々なジャンルの踊りがちりばめてある。男性版白鳥というキャラを演じるだけでも難しいのに、その様々なジャンルのダンスを登場するダンサーたちすべてが軽々と踊りこなすのですから、見ていて震えます。20年前、男性が白鳥を踊る。それだけで冒険だったと思います。古典的名作を改変するだけでなく、女性と男性を入れ替えてしまうのですから批評家のかっこうの餌食になります。批評家の口を閉ざすためには最高に面白いものを作らないといけない。そして振付もシナリオもセットも衣装も、最高に面白いエンターテインメント作品をマシュー・ボーンは世に送りだし、批評家の絶賛を浴び興行的にも大成功をおさめました。初演から20年の時を経て、現在もまったく色あせないその作品に触れることができて、また少し「白鳥の湖」に対する造詣が深まった気がしました。気のせいかな・・・笑追記上映映画館かなり少ないですが、チャンスがあればぜひ劇場でご覧ください。(ストーリー)王室での生活や母親との関係に心が満たされていなかった王子は、自由奔放すぎるガールフレンドに翻弄され、やりきれずに自暴自棄になり自殺を図ろうと公園に彷徨いこむ。そんな王子の前に力強く生命に満ち溢れた白鳥が現れ・・・。