神の裁きを受けたティルス、フィリスティア

ティルスという古代の都市はフェニキア地方のの主要な海港として実在していました。カルメル山の北約50キロ、シドンの南南西35キロにあるエ・スールという場所ということが既にわかっています。

このティルスはヨエルの預言どおり、西暦前332年にはアレクサンドロス大王により国家としては完全に滅んでしまいました。

またフィリスティアについてもヨエルは予告しています。このフィリスティアはどうなったのでしょうか。

フィリスティア人は多神教を奉じる民族でダゴンという神を崇拝していた民族でした。国家としては枢軸領主というかたちで地域ごとに支配をしていました。ガザ、アシュケロン、アシュドド、エクロン、ガトという都市がそれに相当しますが、これらはフィリスティア人の地でした。

「 …すなわち,フィリスティア人の全域とゲシュル人の全土 3 (エジプトのいちばん前にあるナイルの支流から,北方のエクロンの境界地方まで。そこはカナン人に属するとみなされていた)。フィリスティア人の枢軸領主五人,ガザ人とアシュドド人,アシュケロン人,ギト人とエクロン人。それにアビム」(ヨシュア 13:2‐3)とあります。

また、「それで今,安らかに帰って行きなさい。あなたがフィリスティア人の枢軸領主たちの目に何も悪いことを行なわないためだ」(サムエル第一 29:7)という記述もあります。

このフィリスティアはヨエルの予告どおり神の裁きを受けたのでしょうか。

やはり、ティルスと同様にアレクサンドロス大王は,フィリスティア人の都市であるガザを征服しました。そして、フィリスティア人は別個の民族としてみなされなくなり、歴史から姿を消してしまいました。

今ではその存在は「パレスチナ」の語源になっているというかたちでしか確認できません。しかし、現代のパレスチナは古代フィリスティア人とは関係がありません。

そして、エドムについてはどうでしょうか。

この続きは次回のお楽しみ

ヨエルでした!