千両みかん。
僕の好きな落語のお話。大金持ちの若旦那が病気で伏せてしまう。医者が来て診察するけど一向に改善しない。
気心しれた番頭さんが聞いてみたところ若旦那は「みかんが食べたい」との事。みかんを買って来て若旦那に食べさせたら治ると思った番頭さんは八百屋さんへ。八百屋さんが言うには「今は夏でっせ、冬のみかんなんてありまへん」って。なるほど。そこから番頭さんの活躍が始まる。野菜問屋さんに行き無くて最後には和歌山まで行く。そこのみかん問屋さんで「どれだけかかってもみかんをください!」って言われたみかん問屋さんは部下に命令して蔵の中を探させて腐ったみかんの中から一つだけ綺麗で美味しそうなみかんを見つけ出す。「これを持って帰って若旦那の病気を治してやってください」って言ってくれたのに、番頭さんはプライドなのか「ただでは貰えません」って言ってしまったから問題発生。蔵の全部のみかん代として千両を請求して番頭さんは千両払う。
若旦那に食べてもらおうと持って帰る途中、番頭さんの頭にいろんなことが浮かんで来る。今自分が辞めても退職金は10両くらいかな?若旦那に持ってって食べてしまったらなーんにも残らないし。
その番頭さんはそのみかんを持ってとんずらしてしまった、っていうよく出来たお噺。

