アンチエイジングなんて言葉が無かった時代、それに代わるものして「不老不死」があります。
不老不死を辞書で引けば、「いつまでも年をとらず、また、死なないこと。中国人の伝統的生命観の一つ。」とあります。
古来人間にはとかく不老不死を求めてやまない性癖があり、ギリシア神話に登場するティーターンや中国の始皇帝の話などは有名ですが、日本でも古事記や竹取物語に登場しています。
神話や伝説、アニメなどのフィクションの世界はともかく、生物であるヒトには不死身ということはあり得ないので、生物学的には不老という概念を指して不老不死と呼ばれています。
話が少し理屈っぽくなってきましたが、今日のテーマは不老不死の生物がいるというお話です。
それは体長が1cmにも満たない小さなクラゲで、ベニクラゲと呼ばれています。
ベニクラゲが不老不死の生物であると分かったのは、全く偶然の発見でした。
1994年ごろ、ベニクラゲの研究をしていたレッチェ大学のボエロ博士は、学生が水槽に入れておいたクラゲの世話をせずほっておいたので、全滅してしまっただろうと思って中をのぞいてみると、生まれたばかりの姿になって蘇っていたのです。
その後、国立海洋研究所のピライノ博士が研究を受け継ぎ、5年間で4000体ものベニクラゲの観察を繰り返し、そのすべてが若返ることが確認されました。
不老不死といっても絶対に死なないというわけではなく、老衰で死ぬ寸前にさなぎのような状態になり、その中でぐんぐん細胞が若返り、やがて生まれたばかりの姿に戻って、再び成長を始めるということなのです。
ベニクラゲのような小さな命が蘇るなら、われわれ人間にもひょっとして同じような遺伝子が存在するかもしれません。
いや、これは私の勝手な想像ですが、天寿を全うして死ぬ直前に、赤ちゃんにまで若返り、また新しい人生を始めることができるなんて、考えるだけでも楽しいじゃないですか!
こんな夢のようなことをあのちっぽけなベニクラゲ達が、いとも簡単に成し遂げているのかと思うと、何だかいとおしく思われてなりません。
是非一度機会があれば水族館へ出かけて、ベニクラちゃんにご対面したいと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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