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来年2月に六代目中村勘九郎を襲名する歌舞伎俳優・中村勘太郎(29)の「襲名を祝う会」が28日、都内のホテルで開かれ、長嶋茂雄元巨人監督(75)、津川雅彦(71)、市川海老蔵(33)ら1200人が出席した。万雷の拍手と祝福の声を浴びた勘太郎は「何かやるといったら、必ず実行したカッコイイ男の名前です。とても大きな宿題をもらった気持ちでございます」と武者震い。父・中村勘三郎(56)が46年間、大切に守った名跡を受け継ぐ覚悟を示した。

輝ける未来が見えてくるようだった。祝賀会の幕開けから独創性にあふれた。トランペッター・日野皓正(69)が奏でる音色と、「中村屋!!」と屋号を叫ぶ声が交錯。和洋折衷ムードが漂う中、新・勘九郎は紋付きはかま姿で登場した。かつて、父・勘三郎と日野が演目「船弁慶」でコラボしたのをきっかけに、勘太郎が熱望した演出だった。

 会場となったホテルオークラ・平安の間は2年前の同日、妻の女優・前田愛(28)との結婚披露宴を行った思い出の場所だった。当時に勝るとも劣らない祝福に包まれながら、勘太郎は「父が守り、育てた『勘九郎』という名前は、あこがれで、尊敬で、何より恐怖でした」とあいさつ。マイクの前で、芸道を厳しくたたき込まれた幼少時代を思い返していた。

 来年2月から東京・新橋演舞場を皮切りに襲名披露公演がスタートする。「いい芝居をつくり、一生懸命努力いたします。あこがれで、かっこいい、恐怖の勘九郎になります!!」と高い目標を口にした。

 怖かった父もこの日は優しかった。勘三郎は「皆さまに勘九郎を知っていただいたのは私なので、(襲名は)大したことないんです。気を張らずに、自分の勘九郎をつくってほしいと思います」と激励の言葉を送った。父の胸の内を知った勘太郎は、「ああいう気持ちでいてくれたのは、すごくうれしいです」と涙声になった。

 今年2月には長男・七緒八(なおや)君が誕生した。毎朝、一緒に遊んでいることをうれしそうに明かしつつも、「今のうちだけだよって言ってます。彼が歌舞伎の道に入るなら、厳しくしなければお客さまに失礼」。真剣なまなざしは、父そっくりだった。覚悟を決めた勘太郎が、“勘九郎魂”をしっかりと受け継いでいく。