私の母は80歳過ぎても靴下をはくときに片足立ちで履いていた。つまり立ったまま靴下をはく。

しかも認知症があったので何度危ないからと注意してもやめなかった。本人は何も考えてないので無意識の行動なんだと思う。

母は運動神経がすごかったどころか自転車にも乗ったことがない、昭和4年生まれのお嬢さん育ちの人で12歳の時に虫垂炎が手遅れ状態の腹膜炎をおこし生死の境をさまよったそうで、そこから親(私から見て祖父母)が過保護に育てた。

母の妹(叔母)二人からは何もできない姉認定されてたな。

ところが60歳過ぎて犬を飼いだしてから変わる。

生後二か月の紀州犬の貴姫(血統書付きの女子)が来てから16歳で虹の橋を渡るまでずっと朝夕の散歩を夫婦でしたことによって母は健脚になった。

犬がいなくなってからもずっとその散歩コースを歩くことが習慣になり、父が亡くなった後も続けて、認知症を診断されるくらいまでずっと。

その後はデイサービスに通ったので行けなくなった。

母が運動らしいものをしたことを見たことがなかったし、走る姿もいまいちだったので運動オンチだと勝手に思っていた。

書道の先生の資格を取ったりインドア派ではあるけど地味な努力をちゃんと続けるひとではあった。

そんな母の一番の思い出が靴下の履き方(笑)

いやだって、毎日靴下履くたびにチラッと思い出すんだもの。

片足立ちになるからぐらぐら不安定になるし、靴下につま先を入れてかかとまでちゃんと靴下をはかないと足を下におろせないからバランスが取れないと危ない。

我が親ながらすごいわと思うし、運動神経そこそこと思ってた自分の方が今は情けないかもと反省する。

身体を整える。

まずは母と同じように片足ずつ立ったまま靴下履こうかな。