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哲学の研究者であるロバート・レヴァイン博士と


その同僚は、アメリカや


世界31カ国の都市における生活の速度を調査 し、


コミュニティーによって


「生活の速度」が異なることを示しました。





調査は、各都市の繁華街にいる人々が


「1人の時にどのくらいの速さで歩くのか」


「取引を完了させるためにどのくらいの時間をかけるのか」、


また「ランダムに選んだ街の時計が


どのくらい正確なのか」を測定するものでした。




調査の結果、


研究者らは


「GDPによって測定される経済が豊かな場所であるほど、


生活の速度が速い」ということを発見。



また、人の多い大都市は人口の少ない都市よりも


速度が速い傾向があるということが分かりました。




では、生活の速度の速さは


個人の幸福にどう結びつくのでしょうか。



調査では、特に北アメリカ・西ヨーロッパ・アジアなど


生活速度の速かった場所の人々は喫煙しやすく、


心筋梗塞で死にやすく、



困っている人を見かけても


助けない傾向があることが分かっています。



しかし一方で、生活速度の速い場所に住んでいる人は、


生活速度の遅い場所に住んでいる人よりも


「自分は幸せだ」と言うことが多かったとのこと。



もちろん、生活速度の速い場所に住む人々は


経済的に豊かなことが多く、


経済的な豊かさが幸福と結びついているようにも見えます。


しかし、欲求を満たすある程度の所得が得られるかどうかは


幸福に関係するが、


それ以上の所得が必ずしも大きな幸福をもたらすとは言えない



とする学説「イースタリンのパラドックス」は


現在も賛否両論の論争を巻き起こしていることからも分かるように、


幸福と収入の関係はハッキリしていません。


やるべきことがたくさんあり、


好きなことをする時間がないという「忙しさ」が幸福と


関係しているようにも見えますが、


だかと言って「忙しい人は幸福を感じにくい」


という結論は早計です。



今日の社会においては「忙しさ」が


名誉となることも多々あります。




子どもの幸せのために忙しく働く両親や、


高額な弁護料を取れる忙しい弁護士などが


必ずしも自分を不幸に思っているのかというと、


そういうわけではないのです。





現に、イギリス・ダラム大学の調査 (PDFファイル)では、


幸福な人は「自分は忙しい」と


答えることが判明しています。




この時の「忙しさ」は


「せかせかしている」という意味ではなく、


「余分な時間が存在しない」という意味。



つまり、生活速度の速い都市生活者のような


ライフスタイルの人が幸せを感じやすいということです。




つまり、「時間の有無」ではなく、


「自分が時間をどう使っているかという意識」が


経済の豊かさ以上に幸福に関わってくるということ。




「幸福であるという事実」が人々に時間の使い方を


ポジティブに見せる目を与えているのか、


それとも豊かな時間の使い方が


幸福を生み出しているのかという問題はあるものの、


幸福を感じられない人は、


一度「自分が何に対して時間を割いているのか」



を見直すことも大切です。