テレビや雑誌、Webなどでは
視聴率にまつわる話題が
頻繁に取り上げられるが、
なぜ、そこまで重要なのか?
視聴者側からは見えづらい
TV局の仕組みについて、
TV局営業部門関係者に話を聞いた。
「まず、番組視聴率はメディアリサーチや
マーケティングリサーチを行っている、
株式会社ビデオリサーチによって調査され、
テレビ局や広告代理店などのクライアントに
そのデータが提供されます。
TV局が視聴率の良し悪しに
常に注意を払うのはそのためです」
また、次のような理由もあるようだ。
「これは、一般的にも知られていることですが、
テレビ局はCMを放送し、
広告主(スポンサー)から広告料および
番組の製作費を提供してもらうことで
利益を得ているのですが、
CMは大きく次の2種類に分けられます。
ひとつは番組スポンサー企業のCM。
二つ目は“放送回数しばり”あるいは
“視聴率しばり”で契約されるCM。
前者が『御社のCMを50回、流しましょう』という契約で、
後者の場合は『御社のCMを視聴率200%分、
流しましょう』という契約がされます。
つまり、後者の契約がされた場合は、
視聴率と売り上げが比例するのです」(同)
“視聴率しばり”で契約される
CMの詳しい仕組みは以下の通りだ。
・“視聴率200%”の契約がされた場合
視聴率20%の番組→10回CMを流せば契約満了
視聴率5%の番組→40回CMを流せば契約満了
このことからもわかる通り、
視聴率がよい番組が多いほど、
多くの企業CMを流すことができ、
その分、利益を得ることができるというわけだ。
現在、キー局で15秒のCMを流すためには
200~800万円ほど必要とされるが、
それでもCMを流したいと考える企業は多くあるようだ。
不景気と言われて久しいテレビ局は、
視聴率を1%でも上げるために日々、
知恵を働かせている。
(文=吉沢ひかる)