・99歳の “聖人” ホームレス
ブルガリアの首都ソフィア郊外に居住し、
“聖人” と呼ばれる99歳のドブリ・ドブレフさんは、
日々ソフィアの道で物乞いをしている。
しかし普通の物乞いとは異なり、
彼は恵んでもらったお金を
自分で使うことはせず、
全て寄付しているのである。
ソフィアから24キロ離れた所に住んでいるドブリさんは、
以前はソフィアまで歩いていたが、
老齢のため現在はバスで通っている。
第二次大戦中の爆撃で聴覚をほぼ失った彼は、
月々支給される年金80ユーロ(約1万1000円)で
生活費をまかない、細々と暮らしているのだ。
・物乞いで集めた2万4000ドルを寄付
ドブリさんと何回か会って話をしたという人物によると、
彼は昔一度犯罪を犯し、
その罪を償うために集めたお金を寄付しているというのだ。
熱心なキリスト教徒でもある彼は、
今までに物乞いで集めた2万4000ドル(約240万円)を
教会や修道院に寄付し、
孤児院の公共料金の支払いにも貢献するべく
寄付を続けているという。
・聖人の胸に響く言葉
“聖人” のストーリーに心を動かされた人々が、
その善行を広めたいと2000年に『Mite』と題した
ドキュメンタリー映画を製作。
この映画で彼は、
「善意は公平と純真さに基づいたものです。
全ては善にあります。
嘘をつかず盗みも不貞も働かず、
神が我々を愛するように
お互いを愛さなければなりません」と語っている。
▼壁画にもなっている “聖人”