日本の土から生まれた奇跡の薬

イベルメクチンの軌跡


「イベルメクチン」とは?


イベルメクチンとは何か


詳しく見ていく前に

いくつかのキーポイントを押さえましょう。


1973年に発見され、1987年に人間への使用が承認されて以来、世界中で、40億回分以上が無料配布されています。


WHO(世界保健機関)も、「必須医薬品のリスト」の中に含めています。


その凡用性、安全性、有益な影響から「驚異の薬」と呼ばれ、発見・開発した2人には、ノーベル賞が授与されています。


興味深いことに「ペニシリン」や「アスピリン」と同様に、「自然」から発見されて、抽出されたという特徴を持ちます。


イベルメクチンとその世界への影響力を真に理解するために、発見の最初に時をさかのぼってみましょう。


イベルメクチンの物語は、70年代初めに「大村智(サトシ)博士」が有名な「北里研究所」で、微生物学者として働いていたところから始まります。


彼は新しい「抗菌物質」を探していました。


農家で育った彼は、自然への深い敬意を育み、


健康で生産的な生活を送るために必要なものは全て、自然の中にあると信じていましたし、今でも信じています。


そんな大村にとって北里研究所は、ピッタリな場所でした。


というのも、そこが自身の創薬やワクチンは天然資源から発見できると信じていた北里柴三郎によって設立された研究所だったからです。


大村教授のその信条が、自然界、特に土壌に生息する生物から有用な化学物質や生物活性物質を見つける!という意思を駆り立てたのでした。


大村教授は、これらの新しい微生物を見つけて分離するために、日本中から何千もの土壌サンプルを収集しました。


1つのサンプルが非常に有望であることがわかりました。


東京から南に数時間の川奈ゴルフクラブのすぐ近くで採取した土壌のものでした。


大村教授とそのチームは、その土壌から新しい細菌を分離することに成功しました。


その細菌を培養して発酵させるプロセスを通じて、彼らはすぐにそれが「アベルメクチン」と命名した非常に活性力のある化合物を生成することを発見しました。


この発見は、パズルのピースがぴったりと合ったかのようなタイミングでした。


ちょうどこの時、大村教授と北里研究所は、製薬会社「メルク(MSD)社」と提携したところだったので、この化合物を商品化するためのリソースがあったのでした。


メルク社が北里研究所からサンプルを受け取ったのは1975年で、ウィリアム・キャンベルが学際的研究所チームの責任者でした。


彼の仕事は、大村教授のチームから送られてきた、その化合物と他の53のサンプルをスクリーニングすることでした。


アベルメクチンは、蠕虫(ぜんちゅう)や他の寄生虫に(殺虫剤として)非常に効果的でした。


それを、キャンベルらが、より安全で効果的に修正した、その結果が、イベルメクチンでした。


それ以来、彼らは元となるアベルメクチンを作り出す微生物を世界中で探してきましたが、非常に驚くべきことに、


それが採取可能なのは、未だにその東京の南が唯一の場所です。


...この薬が世界に与えた影響を考えると、驚くべき事実ですね。


アベルメクチンを分解してスクリーニングした初期から、さらなる分析が進み、さらに広範囲の寄生虫や虫に対しての殺虫能力が明らかになりました。


他の駆虫薬より、実に25倍も強力であることを発見しました。


また、内部および外部の両方で寄生虫を治療することができる内外部寄生虫駆除薬という新しいクラスの最初のものでした。


1981年、イベルメクチンは動物の抗寄生虫薬として、商業的に販売開始され、すぐに世界中で、


ペットと家畜用の医薬品としてトップセラーになりました。


それはもう効果的で、馬によく見つかる回虫をほぼ根絶しました。


しかし、目標は初めから動物と人間の両方を治療できる薬を目指していたので、これで終わりではありませんでした。


ウィリアム・キャンベルは、更に研究を進め、イベルメクチンが河川盲目症として知られるオンコセルカ症に対して、使用できるかを調査し続けました...


河川盲目症を引き起こす蠕虫(ぜんちゅう)に近い馬の寄生虫が非常に効果的に駆除されたのを発見したためです。


河川盲目症は、回旋糸状虫という体内で最長14年間も生息できる寄生虫によって引き起こされます。


これは、感染した黒バエ(ブヨ)に刺されることにより広がり、幼虫の形で人から人へと移動します。


失明のほかにも、ひどい皮膚病や強いかゆみを引き起こすだけでなく、一般的に衰弱も伴います。


現に、西アフリカのサバンナでは、40歳以上の男性の半数が、河川盲目症のために盲目でした。


1981年にメルクは、セネガルで臨床試験を始めました。


(当時の創薬は)安全性が最優先だったため、非常に少量のイベルメクチンから開始しました。


河川失明症は、大規模な健康上の緊急事態であると同時に、社会-経済的問題でもあったため、


イベルメクチンで効果的に対処することを目標にしていたのです。


研究の結果、年に1度の投与だけで、体内の未成熟な寄生虫をゼロに減らせれることが分かったのです!


そして、成虫になった寄生虫が居ても、毎年イベルメクチンを服用すれば、この感染病の全ての症状を防ぐことができました。


それは、多くの人を障害者にした失明も含めてです。


1987年に、メルクは人間用のイベルメクチンを「メクチザン」という商品名で登録しました。


以下は、(当時の社長)ジョージ・メルクの薬に対する哲学です。


「メルク社は営利企業ですが、事業の遂行において、ある原則を守るように努めてきました。


それは、薬が患者のため、人々のための物である...ということを私たちが、決して忘れないようにする ってことです。


利益がすべてではないのです」(訳註:残念ながら、現在のメルク社や、他の大手製薬会社は、利益至上主義で、イベルメクチンへの壮大なネガキャンを遂行しています)


メルクは、メクチザン寄付プログラムを確立し、河川失明症の治療のためのイベルメクチンの無料配布を開始し、必要なだけ、必要な場所に配布を継続することを約束しました。


その後イベルメクチンは「象皮病」として知られる別の壊滅的な寄生虫病にも同様に効果的であることが証明されました。


よって、その後30年に渡り、河川盲目症と象皮病の治療目的で、合わせて49ヵ国で40億回分以上の薬が寄付されてきました。


大規模な長期に渡る配布を続けられている一つの要因は、イベルメクチンの圧倒的な安全性が挙げられます。


実際、WHOも、イベルメクチンの各コミュニティーの継続的な投与管理は、訓練を受けた非医療従事者でもできるほど、非常に安全であると結論付けた程でした。


2015年、大村智教授とウィリアム・キャンベル博士は、イベルメクチンの発見と世界中でのイベルメクチンの功績にふさわしい賞を受けました。


彼らはノーベル賞の「生理学分野の医学賞」を受賞したのです。


「医学の生理学分野の究極の目標は、人間の健康や病気、正常な生命現象に対する我々の見方を変えるような、科学的なブレークスルーを達成することである。...


「大村博士は、4万以上の異なる『ストレプトミセス科』の培養細菌の中から、未知の『アクチノミセス目』という『放線菌』を特定することに成功し、


それには、誰も見たことのない成分が含まれていて、それによって薬学の歴史を変えられました...


「ウィリアム・C・キャンベル博士は、大村博士から受け取った放線菌のストレプトマイセス科、アクチノミセス目の菌株から、


並外れた効力で多くの異なる腸内線虫を殺す...という、そのユニークな特性を特定しました。」


「イベルメクチンの有効性を踏まえ、この2つの病気の2025年までの撲滅を目標とする世界的なイニシアチブが、WHOと複数のNGO団体がスポンサーとなって行われています」


イベルメクチンの物語は、非常にポジティブであり、また、世界的に認められる程の影響力があるものです。


それは、この薬の何十年もの安全性と、その人類への貢献度の高さから来るものでしょう。


2019年に世界は一変し、世界を封鎖したウイルスが、2021年の今も蔓延し、我々は対処を余儀なくされています。


実のところ、武漢ウイルス感染症(COVID-19)で、多くの人が初めて『イベルメクチン』を知ったかもしれません。


この名前は、パンデミックの際に何度も話題になり、何千回と書かれてきました。


ここまで、あなたはその起源、用途、安全性、そして世界中の何百万もの人々が受けた恩恵を見てきましたね。


さらに事実を言えば、イベルメクチンの新しい用途の可能性については、この病気が世界をストップするよりも以前から、研究がされて来ていました。


『抗寄生虫』作用の他にも(今回の感染症治療に重要な)『抗ウイルス』と『抗炎症』の作用機序があることが(長年の)研究で示されていました。


薬というものは、『有効性』と『安全性』(←既に確立済)が確認されれば、他の目的にも再利用されることが多く、これはイベルメクチンを他の多くの分野で再利用するのに有望で、


これまでの研究によると、インフルエンザ、ジカウイルス、デング熱、マラリア、結核、白血病、HIV、その他の病気に対する有効性が示されてきました。


イベルメクチンの効能の全貌は、やっとわかり始めた薬なのです。


武漢ウイルス感染症(COVID)は、世界的な健康上の緊急事態だったので、多くの医師や研究者が、その治療の即戦力となる既存の(安全性が)確立された薬を『再目的化』できないかを調べ初めました。


それがイベルメクチンの別用途の可能性に更なる注目を集め、世界的な規模での研究が行われる事に繋がったのです。


そして、その(特殊な)『抗ウイルス薬』の作用機序により、将来出てくるウイルスや、その変異株にも(関係なく)対応して、役立つ可能性があると考えられています。


イベルメクチンの物語は、まだまだ終わっていません。


(抗細菌性作用や、抗ガン作用なども分かり始めており)


実のところは、やっと始まったばかりです。


この薬と、そのすべての用途への、理解と受け入れが始まっています。


たった一つの土壌サンプルと、その中で発見された微生物は、終わることのない『恵み』であることが証明されつつあります。


「微生物は役に立たない代謝物を生成しません。


それらの物質の人類への有用性がわからないのは、ただ、私たち人間が、まだまだ無知だから、なんです。」

〜大村教授のノーベル賞受賞スピーチより〜


FLCCC ALLIANCE


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(次回につづく)