父とガンと僕 memories 9 (マイクロプラスチックについて)
前立腺がんで父親を亡くした息子が書くブログ9回目です。
今回はマイクロプラスチックについてです。
マイクロプラスチック。
何だそれはという方もいらっしゃると思います。
簡単にいうと、ペットボトルやポリ袋など、プラスチック製品のゴミなどが海洋投棄される事により、年月をかけて細かく自然に粉砕され、5mm以下の粉状になったものと考えてください。
昨今、このマイクロプラスチックが問題になっていますが、本日ニュースでマイクロプラスチックよりも更に細かい「ナノプラスチック」と呼ばれる微粒子が複数の人の血液から検出されたと書いてありますた。
ナノプラスチックはその直径が1/1000ミリ以下の極めて小さなプラスチック粒子の事をいいます。
このうち一人を詳しく調べたところ、血液や腎臓、肝臓などからプラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニールという有害化学物質も見つかったそうです。
国内で検出されたのは初めてだといいます。
このようにプラスチックゴミの海洋投棄は世界中で行われていて、日本も例外ではありません。
(原文 This beached juvenile Sperm Whale was found off the coast of Spain. If it looks emaciated, it’s because it starved to death. In its stomach was 64 lbs of plastic, causing an infection. Our Oceans are drowning in a sea of plastic. We need to break our addiction.)
このマッコウクジラの稚魚はスペイン沖で発見された。 やせ細って見えるのは餓死したからだ。 胃の中には64ポンドのプラスチックがあり、感染症を引き起こしていた。 私たちの海はプラスチックの海に溺れている。 私たちは中毒を断ち切る必要がある。と書いてあります。
64ポンドというのは約30kgです。
食物連鎖により、いずれ人間の体内にもマイクロプラスチックやナノプラスチックといった微粒子が侵入します。
年間800万トンのプラスチックゴミが投棄され、最終的に海へ辿り着きます。
現時点で存在する海洋プラスチックは1億5,000万トンといわれています。
そこへ毎年800万トンがプラスされるわけです。
まず、自然によって粉砕されたプラスチックをプランクトンや小魚が食べ、それをまた大型の魚が食べ、最後には人間の胃袋へ入ります。
そして今回のように、血液に入って全身に行き渡るわけです。
これは、ゴミがどれくらいで自然分解するのかを表にしたものです。
平気でポイ捨てしている たばこの吸殻は1年半から10年かかります。
レジ袋であれば20年です。
そしてペットボトルでは400年もかかります。
釣り糸に関していえば約600年もかかるのです。
このマイクロプラスチック問題は、海洋放出されてしまう事が問題なので、正しく処理すればそこまでの問題にはならないと思います。
なんと言っても、ポイ捨てがいけないのです。
例えばレジ袋を有料にしてもストローを紙製にしても、人間の意識が変わらない限りあまり意味がありません。
例えばストローやスプーンやフォークを紙製は木製にすればまた違う問題が出てきます。
それも環境破壊の一部です。
2023年の記事では、中国で心臓移植を受ける患者から採取した検体を調べたところ、その心臓と周辺組織、血液などから9種類のマイクロプラスチックが検出されたそうです。
その直径は0.469ミリメートルだったといいます。
血液に乗って全身に送られるわけですから、心臓や脳にも入り込みます。
よって、心臓発作や脳卒中などが起きる原因にもなるのです。
今回のタイトルにある「ガン」とは直接の関係は無いかもしれませんが、病気を引き起こすリスクが跳ね上がります。
このような事をお伝えしたいのと、結局何が言いたいかというと、ゴミは正しく処理をしましょうという事です。
釣り糸に絡まったウミガメやイルカなどを見て「可哀想」と言っているうちはまだいいかも知れませんが、人間にも直接影響があるという事を是非頭に入れておいて下さい。