父とガンと僕 memories 8 (PFOAやPFOSについて) | SATANS KITTENS

父とガンと僕 memories 8 (PFOAやPFOSについて)

前立腺がんで父親を亡くした息子が書くブログ8回目です。

宜しくお願いします。



 

発がん性が指摘されている化学物質「PFOA」を長年扱ってきた工場の元従業員の血液から高濃度のPFOAが検出されたというニュースが発表されました。
この元従業員の方は退職後に舌がんを発症したそうです。

この「PFOA」とはなんぞや?というところから。

PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は有機フッ素化合物PFAS(ペルフルオロアルキル及びポリフルオロアルキル物質)の一種で、水や油をはじき熱に強いためフライパンのコーティング加工や食品パッケージなどに使われるもので、現在、日本では製造や輸入が禁止されているものです。
この他、「PFOS」(ペルフルオロオクタンスルホン酸)というものもあります。

これらのものは既に1970年代には健康被害が認識され始め、ほ乳類に多量に使用した場合、生殖毒性や発がん性などの問題を引き起こすことが知られるようになりました。

「PFAS」という大きな括りになると、様々なものに使用されています。
衣服などにも使用されますが、主に最終的なコーティングに使用されるそうです。

アメリカ環境保護局が出したPFOSとPFOAの飲み水に含まれる濃度の基準値は1Lあたり4ナノグラムに対して、日本の環境省が出した目標値というのが両物質合わせて1Lあたり50ナノグラムです。
この差は何なのでしょうか。
このPFASという物質は、ほとんど自然界では分解されず「永遠の化学物質」と呼ばれています。
このPFASが漏出した事故がありました。

東京の多摩地区では、水道水源の井戸水から高濃度のPFASが検出されたといいます。
市民団体の血液検査では、半数以上の住民の血中濃度が、健康被害の恐れがある水準を上回ったそうです。
この源流を辿ったところ、2012年に横田基地から漏出したのではとされています。
横田基地内にある横田消防署の泡消火剤の貯蔵タンクの中身が空になっているのを消防隊員が発見しました。
ゆっくりとタンクから漏れ出し、床の継ぎ目から土壌に浸透したのではないかという事です。

PFASを含む泡消火剤は通常、水で薄めて3%の濃度で使用するそうですが、横田基地の漏出事故では消火剤の原液3000L超がそのまま流れ出たとみられます。
1年以上も気が付くことなくゆっくりと流れ出たようです。
この漏出事故は基地外には影響がないとされ、日本側に報告されないままだといいます。

そして2018年度、基地から1キロ南東の井戸(立川市)から基準値を大きく上回る、1Lあたり1340ナノグラムの高濃度のPFASが検出されたそうです。


フライパンの「テフロン加工」そのものがPFOAやPFOSかというとそうではなく、毒性のない「PTFE」という物質を安定させる補助剤として、PFOA/PFOSが使用されているそうです。
しかしこのPFOA/PFOSはフライパンを使用する度に微量が分解され溶け出るのです。

現在PFOAフリーやPFOSフリーと書かれたフライパンも売られています。
焦げ付かない、汚れにくいという点でテフロン加工というのは重宝されていますが、長年蓄積されてガンを発症するという事もあります。

ドイツではいち早くPFOA/PFOSを含まない原料からPTFEを製造することに成功し、規制の厳しいヨーロッパではPFOA/PFOSを含まないPTFE製品が主流となっています。
PFOA/PFOSを含まないため、熱処理後にも有害物質は検出されないそうです。
ただしこのPTFEも360度以上に加熱をすると有害な蒸気が発生するとされています。

出来ることならば、鉄分も摂れる昔ながらの鉄鍋を使用する事をオススメします。
僕も中華鍋をよく使用しますが、洗った後に錆防止の油を塗るだけで、通常のフライパンと扱いに違いはないです。

食品だけではなくこういう物も重要視して、より健康に日々の暮らしを送りたいものです。