父とガンと僕 memories 7 (減塩醤油について)
前立腺がんで父親を亡くした息子が書くブログ7回目は「減塩」についてです。
宜しくお願い致します。
「食卓塩」として売られている塩には塩化ナトリウムが使われています。
このナトリウムは必ずしも害な訳ではなく、体には欠かすことの出来ないミネラルの1種です。
天然物としては岩塩などに含まれているそうです。
海水にも約2.8%程含まれているといいます。
ただ、「ナトリウム」と「塩化ナトリウム」は別物だという事を知ってください。
ナトリウムはアルカリ金属元素の1つで、塩化ナトリウムとはナトリウムと塩素を結合させたものです。
それとは別に「減塩」と書かれている食卓塩や醤油があります。
これはただ単に塩化ナトリウムの含有量が少ないという訳ではなく、代替として塩化カリウムが使用されています。
例としてキッコーマンの減塩醤油を見てみます。
(キッコーマンに恨みがあるわけではなく、一番有名な醤油という事です。)
↓減塩でない醤油の成分表がこちら↓
どうでしょう?
確かに減塩醤油の方は食塩相当量(塩化ナトリウムの含有量)が約半分になっています。
しかし、普通の醤油には含まれていないカリウムとリンが入っています。
カリウムとは塩化カリウムの事です。
これはキッコーマン醤油に限った事ではなく、他のメーカーでも、何なら「減塩塩」というよく分からない物にも使われています。
その他、糖質も多くなっていますね。
カリウムも必須ミネラルの1種なのですが、この塩化カリウムは、塩化ナトリウムに比べて塩味が少なく苦味があります。
舐めてみると分かります。
このカリウムも、体内量が少ないとカリウム欠乏症などの障害が出る様です。
しかしこのカリウム自体、放射性物質なので、減塩だからといって摂りすぎるとあまり宜しくない結果になるかも知れません。
内部被曝と言っても微々たるものなので、全く影響はないと思いますが。
ただ、「塩化カリウム」は一度に大量摂取すると取り返しのつかない結果になります。
安楽死にも使われる物質だからです。
血液中のカリウム濃度が高くなると心不全を起こします。
アメリカでも実際に死刑の際に使用されています。
大体の食品の裏面表示には「食塩相当量」という記載があります。
塩化ナトリウムというのはナトリウムと塩素の化合物で、ナトリウムの原子量は23、塩素の原子量が35.5なので、合わせた重さが58.5となります。
なので計算式が58.5÷23=2.54となる訳です。
つまりナトリウムが1gの場合、食塩としての重さは2.54gとなるそうです。
なので、食塩相当量=ナトリウム量×2.54という式を当てはめて計算します。
仮にナトリウムが3gと表示されていた食品の場合、3×2.54=7.62となるので、7.62gの食塩が使われている事になります。
この時点で、1日の食塩摂取量を超えているので、良くないのです。
厚労省の発表する摂取目安量は、1日当たり男性7.5g未満、女性6.5g未満となっています。
1食でこれを超えた食塩を摂取する事になります。
これを毎日続けていたら何らかの病気になる事はほぼ確定するので、良くないです。
ただし、天然塩では別の話です。
塩化カリウムの場合、カリウムの原子量が39、塩素の原子量が35.5なので、74.5となり、74.5÷39=1.91となり、カリウム1gにつき食塩相当量は1.91gとなります。
やはりナトリウムよりは少ないですね。
確かに「減塩」という事は分かります。
ただ、カリウムも腎臓に負担を掛けるようですので、摂りすぎには注意です。
しかしながら、カリウムも必須ミネラルの一種で、成人の体内には約120gから200gが含まれています。
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあるそうです。
結論として、「減塩」だから体にいいというわけではなく、また違った問題が出る恐れもあるという事です。
そもそもな話、減塩を使用するなら醤油や塩そのものの摂取量を減らすべきなのです。
代替品というように、普通の醤油では塩分の摂りすぎになってしまうから塩化カリウムの入った減塩醤油にしようという考えそのものが間違っているのです。
例えるなら、肉を食べないヴィーガンでも食べられる肉のような味と食感の「肉を使わない別の物」というような感じで、根本が変わってしまいます。
なぜそうするのか、なぜそうしたいのかを良く考えた方がいいですね。



