先日、The BeatlesのYer Bluesを取り上げました。
その歌詞は「寂しい、死にたい」を連呼するものでした。

ROCKってのは、時に「甘美な死」を匂わせ、
実際自殺したり、自殺に近い形で死んでいった人が多いわけです。

でも、逆に「とっても生きてることが楽しいの」のに、
あえて死んでしまいたいという歌、ケッコー多いです。
ヒネくれるのがROCK、分かるヤツに分かればいいのがROCKです。
(これが日本の音楽に欠けているところで、僕は未だに洋楽寄りな理由かも)

多分Yer Bluesは後者でしょう。
まだWhite Albumの頃のThe Beatlesは破綻に近づく兆候は少なかったし、
JohnはYokoと出会っていい関係になっていた頃です。

「死んじゃう」歌で、非常に嫌な思いをしたことがあります。
あれは確か1994年?
僕は出張で東京に向かっていました。
新幹線の車中で、昔プロを目指していた頃に付き合っていた女の子に
偶然出会いました。
彼女のピアノの腕は相当なもので、もともとクラシックだったんですが、
当時はジャズ・ピアノを習っていました。
彼女の家はお金持ちで、静岡から東京の音楽学校に通っていました。

「JoeJoeって、スーツ着てカタギになっちゃったんだぁ~。あ~寂しい。」
(余計なお世話だ、僕だって不本意なんだ)

「そういえばカート・コバーン自殺しちゃったね」
(えっ!?)


$JoeJoeの隠れ家-kurt

その子から聞かされたんです。
東京駅についてすぐにスポーツ新聞を買い、記事を探しました。
その通りのことが書いてありました。
ピストル(ライフル?ショットガン?)で、脳を一撃。
遺書にはNeil YoungのHey Hey My Myの一節が書かれていたと
記されていました。

Hey Hey My My (Into the Black)

It's better to burn out than to fade away.
(老いぼれるくらいなら燃え尽きてしまいたい)
The King is gone, but it's not forggoten.
(王様は死んだ、でも忘れ去られない)


あぁ。。。

Neilは一旦その曲を封印してしまいます。

そして、1996年にその封印を解きます。
Phoenix Festival 1996 - Hey Hey My My (Into The Black)

狂った馬と名づけられたバックバンドを従え、
あの歌詞の後には
“Good luck Johnny”
「ジョニー、幸せにな」と付け加えて。
(再結成したSex PistolsのJohn Lydonのこと)
僕はこれをリアルに衛星放送で見ました。
ちょっと涙が出ました。

そして、2002年の新潟苗場、フジロックにて。
生二ール&生狂馬のHey Hey My Myは涙ダラダラで前が見えなくなりました。

僕はやっぱり、生きていて良かったと思いました。

$JoeJoeの隠れ家-rust never sleeps

(つづく)