今日、僕の桂川の師匠がお亡くなりになったことを知りました。
まだまだお若い方でしたので、残念でなりません。
ご冥福をお祈りいたします。

ヅラ仲間のいろんな人から連絡が来ました。
ルアー&フライフィッシングを黎明期から取り組まれ、
すごく慕われていた方ですから当然です。
最後にお会いしたのは、今年の3月下旬、年券を更新するときでした。
その時は元気そのものだったのに。。。残念でなりません。

僕は桂川で渓流の釣のイロハを学びました。
魚はいっぱいいる。
簡単に釣れる鱒も、
学士様の鱒も。
「こんなにデカイ魚がいっぱいいる川は他にないよぉ~」
桂川の生き字引でした。
ご本人の著書にもお書きになっていますが、
桂川のハッチチャートを完全に把握していましたから、
「今日の夕方は、こんな虫が出るよ」
僕はとても助かりました。

ヅラ師匠との出会いは、ルアーで釣りをしていた頃、
ミノーで初めて尺上のイワナを釣った日でした。
(尺上でいきなり45cm。。。稚鮎をたらふく食って太ったイワナでした)
大雨が降り出し、ろくなレインウェアを着ていなかった僕は
ズブ濡れになって川を上がり手持ちぶたさになったとき、
お店に寄ったのが始まりです。
ご夫婦で仲良く営まれていたのが印象的でした。
もう十何年も前のことですね。

釣の技術でヅラ師匠から学んだ一番大事なこと。
それは、
「躊躇なくフライを沈める」
ということでした。

桂川に行ったことがない方にはイメージしづらいのですが、
川幅の割りに水がドッーと流れる本流的なところがあります。
実際、ポイントによっては本流そのものです。

浅い小渓流の釣り上がりならまだしも、桂川のような川では、
魚がいる(と思われる)スジに漫然とドライを流しているだけでは
一向に釣れません(だから僕はフライ・フィッシングに挫折しそうでした)。
そんな時ニンフの使い方を教えてくれたのは、ヅラ師匠でした。
一連のヅラ・ニンフは、こういった経験がなければ生まれませんでした。

そして、ウエットフライを教えてくれたのもヅラ師匠です。
これは本当に面白く、ハマってしまいました。

師匠はいつも、
「平日はあくせく仕事している人が、限られた休日にドライだけ流して
一匹も釣れないなんて切ない。
ライズがないのを理由にあきらめて帰るのももったいない。
ニンフやウエットをやったほうが楽しめるよ。」
と言ってました。

形式論や流儀に走りがちなフライフィッシングを、
もっと楽しめるように提案してくれたのだと思います。
(最近のルアーフィッシングの記事にも、近いものを感じました)

そして、この時知った余裕のお陰で、
より釣りをややこしくするマッチング ザ ハッチを
楽しめるようになりました。
(師匠もハッチに合わせた釣りが一番の醍醐味だと言ってました)
何といっても、マッチング ザ ハッチでうまく行かないなら、
ニンフやウエットに切り替えちゃえばいいのですから。

お店では、てなカタい話ばかりではなく、
師匠が年の割りに(?)お好きだったアイドルの話・心霊現象の話、
食べ物や健康の話、よくしました。

この頃、僕の中で桂川が盛り上がっていたのは、
もしかしたらヅラ師匠が僕を呼んでいたのかもしれません。
本当に寂しいです。
残念でなりません。

これから桂川へ行くと、少し寂しくなります。