1月25日のバンド練習を見て、すっかり熱くなった私は、バンドに加入するため、キーボードを購入し、Aさん宅を訪問して(奥さんに会うのも何十年ぶりだ)、レパートリーの譜面(30曲程)を分けてもらった。
まずキーボードが必要と思われるブルーコメッツの「青い瞳」「ブルーシャトー」、ジャガーズ「君に会いたい」、サザン「チャコの海岸物語」を練習してみた。
「君に会いたい」は難しい。「チャコ~」はイントロは問題ないが、あとをどうするか?
まず「青い瞳」を恰好つけよう。
そしてバンド練習日の2月25日。
「すみやグッデイS店」のスタジオにキーボード持参で赴いた。
セッティング開始。私のキーボードは上手くアンプに繋がらず、とりあえずボイスレコーダーで彼ら演奏を録音することにした。
練習開始に当たって、私はバンド加入の挨拶をした。
「昔の仲間で再びバンドができて嬉しい。楽しくやりましょう・・」というような事を喋ったと思う。Aさん、Cさん、Dさんは暖かく迎えてくれたが、Bさんは「今のバンドは昔と違う・・」旨のコメント。歓迎されてない・・・。
バンド名は「セインツ(SAINTS)」。ライブのオープニングに「聖者の行進」を演奏したのが名前の由来と思われる。
元々は、私が勤めていた会社の社員同士が集まって作ったバンドで、リーダーはAさん。ドラムスのDさんやギターのCさんはコアメンバー。ベースのBさんは、Aさんたちの友人で、当社と付き合いのあった代理店の人だった。元々のベース担当者が抜けたあと加入してきた。彼の優れた音楽性で、バンドは飛躍的にレベルアップした。
あれから長い年月が経ち、今はBさんが実質的なリーダーだ。
Bさんの一言にハッとしたが聞き流し、この日は演奏には参加せず、録音に専念した。練習が終わり、Bさんから今後の大まかな予定が話された。9月にライブの予定があるようだ。
あれから10日余り。
私の演奏は右手指4本のみで、小指は使わない、というか使えない。
そんな内容だが、「青い瞳」は大体合わせられるようになった。
しかし、私の熱意は徐々に冷めつつある。
Bさんのコメントは「昔のような安易な気持ちで来られたら困る・・・」
ということだろうか。
負の感情は時間が経つにつれてエスカレートしていく。
Bさんは私の参加を快く思っていないように感じられる。
バンド加入はイバラの道のようだ。