7月23日から17日間に渡って熱戦が繰り広げられた、オリンピックが終わった。
コロナ禍で何かと心配されたオリンピックは、無事成功裏のうちに幕を閉じた。
やはりオリンピックは良い。国民の気持ちがひとつになり、我々は選手たちに(テレビ超しに)声援を送る。
選手たちは国旗を背負い、死力を尽くす。期待に応えメダルを獲得した者、力及ばず結果を出せなかった者も、我々国民に爽やかな印象を残した。
そんなオリンピックで、私が注目した種目は新設されたスケートボード、BMX(自転車)、スポーツクライミング。
スケートボード(ストリート)
特にスケートボード・ストリートで優勝した西矢椛。史上最年少13歳で金メダルを獲得した。実況の「13歳、真夏の大冒険!」は最高の名セリフとなった。
そしてBMX、男子パーク決勝で優勝したローガン・マーティン(オーストラリア)選手の演技は、他の追随を許さない神技だった。
マーティン選手の神技
さらにスポーツクライミングでの野中、原田選手たちの活躍。
オリンピックでは、選手たちが戦いが終わり互いの健闘を讃え合う姿が清々しいが、これら新種目の選手たちのスポーツマンシップは特に強く印象に残った。
当初これらの種目が競技に加わることに、いくらか抵抗があったが、次回以降も続けてもらいたいものだ。
卓球三人娘
もちろん従来のいくつかの競技も全て観た。
まずはソフトボール。
MVPは何といってもこの日を13年待った上野投手だろう。
リリーフの後藤投手、3試合連続ホームランの藤田選手も印象深い。
続いて卓球。
特に印象に残ったのは混合ダブルス。
決勝で中国にセットカウント2ー2で追いついたものの、第5セットは3ー9と中国にマッチポイント寸前まで追い詰められた時の伊藤選手の絶望的な表情。
一方水谷選手の表情は、厳しさの中余裕すら感じられた。
そこには今迄数々の修羅場を潜り抜けてきた歴戦の強者がいた。
この第5セットの大逆転が優勝を呼び込んだ。試合後伊藤選手は泣いていたが、彼女は水谷選手から「最後まで諦めない」という貴重な訓えを授かったと思う。
水谷選手は男子団体でも、銅メダル獲得の原動力となった。
彼の引退発表は惜しまれる。
女子ゴルフ表彰式
ゴルフは、男子では松山選手が7人による3位のプレーオフで、最初に脱落しガッカリさせられたが、女子は流石の銀メダル獲得だった。稲見萌音がリディア・コ(ニュージランド・韓国出身)とのプレーオフで勝利。リディア・コは、最年少世界ランク1位の記録を持つ強者だが、日本最強(ツアーで今期6勝)の稲見が勝負強さを発揮した。
一日中オリンピック漬けの毎日だったが、陸上は全種目を見た。
私は、国内大会などは目もくれないが、オリンピックは特別な大会だ。
大迫と優勝したキプチョゲ
女子1500mの田中、男子3000m障害の三浦、そして男子マラソンの大迫。今迄メダルなど考えられなかった種目に若い力が育ってきている。
また、日本選手は絡んでいないが、男子800mで、中段の選手が転倒し、後ろの選手が巻き添えを食った。そのあと信じられない光景を見た。選手同士握手をしているのだ。「Sorry!」「Dont Mind!」くらいの遣り取りがあったのだろう。二人は仲良く並んでゴールした。私はそこにスポーツマンシップの真髄を見た。
自国開催のオリンピックを一生に二度見られる人はそう多くない。
それだけでも幸福な人生と言えるのではないだろうか。