ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。

彼のフルネームである。最近はルードウィヒ・ファン・ベートーヴェンと読むことも多い。

フィンセント・ファン・ゴッホを、昔はヴィンセント・ヴァン・ゴッホと呼んでいたのと同じ理由だろう。(上の画像は33歳の時のもの)

 

さて、今回は彼のピアノソナタについて、少し書いてみたい。

ベートーヴェンは生涯に32のピアノソナタを作曲した。

私はそのうちの半分も聴いていないので、とても彼のピアノソナタを語る資格などないのだが、大目に見ていただきたい。

 

CDで持っているのは、第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」、第24番「テレーゼ」、第28番、第29番「ハンマー クラヴィーア」、第30番、第31番、第32番の10曲。

Youtubeで聴いたことのある曲は第17番「テンペスト」、第25番「郭公」、26番「告別」、27番の4曲、計14曲だ。

 

私のお気に入りは、ありきたりではあるが、第8番「悲愴」と第14番「月光」。特に「月光」を聴くと心が洗われるようだ。

第一楽章は「深夜、湖に映る満月の姿・・・」、第二楽章は「谷間に咲く一輪の百合の花・・・」、第三楽章は「抑えきれない情念の奔流・・・」。こんなイメージで聴いている。

 

「悲愴」もいい。第一楽章は鹿爪らしい如何にもベートーヴェンといった雰囲気。有名な第二楽章は哀愁を含んだロマンチックな旋律。第三楽章は恋する乙女のひたむきな心情が伝わってくる様だ。

 

ベートーヴェンのピアノソナタ。もう1曲選ぶとなると、乏しい知識の中では少々難しい。

「熱情」や「ワルトシュタイン」も好きだが、私は第28番を選ぶ。

後期の彼の作品の中では一番好きだ。

優雅な第一楽章、明るくリズミックな第二楽章、格調高い第三楽章、演奏時間も19分で長過ぎず短くもない。

 

ピアノソナタは3楽章と決まったものではなく、2楽章もあれば4楽章で創られる作品もある。

29番「ハンマー クラヴィーア」は4楽章で、演奏者によっても違うが、40分位ある。名曲と思うが、少々長い。

 

彼の32作品は初期(第1~第12)、中期(第13~第27)、後期(第28~第32)と分けられるそうだが、私の感覚では第24番辺りから後期の特徴と思われる即興演奏的な要素が垣間見えるのだ。

 

ベートーヴェンは即興演奏の名手と謳われた。

ベートーヴェンが17歳の時、モーツァルトに面会し、即興演奏を披露したが、驚嘆したモーツァルトは友人に、「彼に注目したまえ。彼はいつか世界に語り継がれる仕事を残すだろう。」と語ったという。

そして、若きフランツ・リストがベートーヴェンにその演奏を聴いてもらった時、ベートーヴェンは「しっかりやりなさい。君は幸運な男だ。多くの人たちに喜びと幸福を与えるだろうから。世の中にこんな立派な美しい仕事はない。」とリストを激励したそうだ。

“天才の系譜”というものだろうか。

 

ベートーヴェンばかり聴いている私だが、気分転換ににショパンのワルツ集や、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」などを聴くこともある。

そのうちベートーヴェンの全てのピアノソナタを聴いて、改めて感想など書いてみようと思っている。