話は前後する。
15日、江戸東京博物館を後にしたかみさんと私は、東銀座の歌舞伎座(上画像)へ向かった。
静岡の市民文化会館で2~3度見たことがある歌舞伎だが、本家本元の歌舞伎座で見るのは初めて。
演目は歌舞伎十八番の筆頭「助六」(正式には「助六由縁江戸桜」)。
然も市川海老蔵が助六を演じる。彼以上の助六役を私は知らない。

 「助六」と「鈴ヶ森」の案内板

午後4時半、東銀座着。
地下鉄の駅を出るとそこは歌舞伎座の地下に継っていて、お土産売り場になっている。お土産を買ったり、地上へ出て歌舞伎座の写真を撮ったりして1時間ほど時間をつぶした。

5時半、夜の部の開場。
早速座席へ向かった。この日我々が取った席は3階のエコノミーシート。2万円の1階席で観たいのは山々だが、二人となると莫大な経費がかかる。かみさんは筋金入りの歌舞伎ファンだから、過去に何度も被りつきで海老蔵や団十郎を観てきた。私は一度でいいから海老蔵の「助六」を観たかったし、生のお囃子も聴いてみたかった。

6時、夜の部最初の出し物は「御存・鈴ヶ森(ごぞんじ・すずがもり)」。
幡随院長兵衛の「お若えの、お待ちなせえ・・・」の台詞で有名な演目だ。
(話が長くなるので詳細は省略)

 幕の内弁当

幕間の6時40分~7時10分に、食堂にて文字通りの「幕の内弁当」で夕食。
右奥はほうじ茶、手前はお吸い物。弁当の右手前はもずく酢。おかず類は色鮮やかで上品な味。

  
(左)助六登場、(右)揚巻と意休。何れも江戸東京博物館のジオラマ。

7時15分、お目当ての「助六」開演。
一幕2時間10分の長編で、主人公・花川戸助六(市川海老蔵)が花道に登場するまでに30分近くかかり、登場人物は次から次へと出てくる。三浦屋(遊郭)一の太夫・揚巻(中村福助)、助六の敵役・髭の意休(市川左団次)、子分のくわんぺら門兵衛(中村吉衛門)、白酒売新兵衛(尾上菊五郎)、通人里暁(坂東三津五郎)ほか尾上菊之助、中村七之助など超豪華キャストの記念公演である。
歌舞伎、特に「助六」はその様式美を楽しむ芸能だ。
イヤホンガイドの解説付きで約4時間、その魅力を充分に堪能した。

余韻を楽しみながら、JR有楽町まで歩き、10時発名古屋行最終ひかりに乗り、静岡へ戻った。