
DVDジャケット
DVDで「冷たい熱帯魚」を見た。
日活、2010年作品
監督は「愛のむきだし」「ヒミズ」の鬼才・園子温(ソノ シオン)。
ヴェネツィアア国際映画祭でスタンディングオベーションを受け、2011年1月一般
公開。
埼玉愛犬家連続殺人事件をベースにした凄い映画と評判になり、ずっと気になっていた作品。
出演:吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂惠、梶原ひかり、渡辺哲ほか
「小さな熱帯魚店を経営する社本(吹越)とその妻妙子(神楽坂)は、万引で捕まった娘美津子を引き取りにスーパーへ向かう。散々油を搾られていると、その場に居合わせた店長の知り合いという村田(でんでん)の取り成しで美津子は何とか放免された。村田も熱帯魚店のオーナーだったが、規模は社本の店とは段違いの大きさ。人の良さそうな村田は、美津子を自分の店で預かると提案。継母である妙子との不仲に頭を痛めていた社本は、その申し出を受け入れることにした。さらに村田は高級熱帯魚の繁殖という儲け話に社本を誘い込む。その口の上手さと押しの強さに、いつの間にか村田のペースに飲み込まれてしまう社本だったが、村田には恐るべき裏の顔があった・・・。」


(写真左)右から社本、妙子、美津子 (写真右)左から村田、妻愛子、社本
エログロ200%の成人映画(R18+)である。
こんなに衝撃を受けた映画は「バトル・ロワイアル」以来だ。
(以下はネタバレ注意)
殺人鬼村田とその妻に完全犯罪の片棒を担がされ、次第に感覚が麻痺していく小市民の社本は遂に二人を、そして村田と関係した妻まで殺してしまう。ラストに娘に「人生は痛いんだ・・」と言って自ら命を絶つ。倒れた父に向かって娘は・・・。
この作品には救いが無い。人間の悍ましき本性を暴く爽快感と後味の悪さが同居するが、それらを帳消しにする程役者でんでんの演技は凄まじい。(日本アカデミー助演男優賞を受賞した)


村田(でんでん) 愛子(黒沢あすか)
主人公の妻妙子が村田に犯されるシーンはリアリティーがあり、村田の妻愛子もエロいフェロモン全開で男たちと絡む。
大人のエログロファンタジーといったところか。但し見終わった後焼肉店に行く気にはなれない。
全ての人にお勧めできる作品ではないのだが、私的には★★★★★(満点!)