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リズム&グルーブ&ドラム論

ドラム上達のための考え方、思ったことなど発信していきますよ~♪

少し日にちがあいてしまいましたが…。

以前に3点セットをきちんと鳴らすことについてお話しましたので、今日はドラムの音量についてちょっと考えてみましょう。

ロックドラムを叩く上ではバスドラムとスネアドラムによるビートが重要であり、バスドラム、スネアドラムの音量を稼ぐことで、よりビート感が強くなります。

そのためには、

(1)腕全体をむちのようにしならせる。
(2)スイートスポットを叩いたあと、スティックは素早く引き、楽器の振動を妨げないようにする。

ということが大切です。

(1)については、肩→ひじ→手首→スティックの握り というふうに腕の根元からスティックの先端までをムチのように感じ、しならせるような意識で叩きます。この時、音量を稼ぐのはスティックを振り下ろす力ではなく、振り下ろす速さである、と意識するとよいでしょう。早く振り下ろせば振り下ろすほど、音量がでます。力は抜いて叩きます。もし、力を入れるとしても、肘ではなく、手首と握りに力を入れるのが良いと思います。つまり、スティックがタムやスネアにあてるその時に手首の関節をグッと回し、手をグッと握ります。これで、最終的にスティックの先端がタムやスネアに当たるときには相当のスピードが乗っていることになります。

※運動エネルギーは (1/2)mv^2 なので、スティックのスピードの2乗に比例して大きくなります。

(2)のスイートスポットについてはいろんな場所を叩いてみて自分で探すのが一番いいのですが、自分の経験上ではスネアやタムのど真ん中からは少し外れているところにあるように思います。そして、スティックを押しつけることなく、素早くスティックを引くことで楽器の自然な鳴りを妨げないようにすることが大切です。
さて、昨日オープンリムショットの話をしました。

オープンリムショットとは、スティックを振り下ろし、音を出す時にヘッドとフープの両方に同時に当てる奏法のこと。バンバン!という音がでる。これとは違いクローズドリムショットというのは、スティックの片端をヘッドにつけた状態で、リムに当てる奏法のこと。カツカツという音が出る。

さて、ドラムを始める人はロックの曲をやろうとする人が多いでしょう。ロックのエイトビートを叩くとき、僕は古い時代の人間だからかも知れないけど、2拍目・4拍目のバックビートのスネアドラムは、オープンリムショットで叩け、と学生時代に軽音楽研究会の先輩に教えられた。

今となってはもう、そのオープンリムショットは当然の如く鉄則となっている。これをすることで昨日のブログにも書いた、図太い低い音を出すための胴鳴りを引き出せるのだ。

さて、このオープンリムショット、初心者には意外にハードルが高く、きちんと安定したショットを叩き続けるためには自分の姿勢、フォーム、手の振り上げから振り下ろしまでが安定していないとなかなか難しい。

しかし、それを簡単にするために僕はオープンリムショットができるようにセッティングのほうを合わせている。手の振り下ろし位置を安定させるためには、左手を振り下ろした時に手が左足の股に当たるか当たらないかの寸止めの所まで振り下ろすことにする。これでショットはかなり安定する。

そして、これでフォームを安定させ、あとはその寸止めの時に一番きれいなオープンリムショットが鳴るような高さと角度にスネアドラムのほうを微調整するのである。

やってみるとわかると思うが、この微調整はミリ単位である。
ドラムをやり始めて間もない頃の話。スネアドラムの図太く低い音に憧れて、スネアのヘッドをゆるく張っていたことがあった。しかし、どうしてもあの音は出なかった。

実は低い音や太い音というのは、ヘッドの張力を下げればよいというものではないのである。シェルやフープを含めたスネア全体が一体となって共鳴することで芯のある音が得られ、これが存在感のある音を作り出すのである。

ヘッドのチューニングは最低限この共鳴を利用し、胴鳴り(シェルの共鳴のこと)を引き出すことのできる張力のレンジ内でのものになる。このレンジをはずして張力を下げすぎると単なる薄っぺらな音になってしまう。もちろん、効果を狙ってわざとやることもありますが。

自分の経験則から言えばスネアの音を図太くしたければ、意外なことにヘッドはそれなりにハイチューンとなる。それなりどころかかなりのハイチューンかも知れない。そして、余計な高音の倍音をミュートで取り除く。叩くときにはオープンリムショットをして胴鳴りを引き出すようにする。その際にスティックのチップ部分はヘッドの中心より3~4cm上に当たるようにする。

これでかなり存在感のある音が得られるはずである。