北岡賢剛氏は地域に根ざした福祉支援のモデルを構築したほか、福祉と文化の融合モデルを具体化させるなどでその活躍が注目されました。北岡賢剛氏の人物像やこれまでの経歴、現在の活動などを浮き彫りにしていきます。
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北岡賢剛氏のプロフィールとこれまでの歩み
北岡賢剛氏が取り組んできた福祉分野での事業は学生時代に学んできたこと、そこで感じたり思ったりしたこと、そして抱いた理想を具現化していったと言えるのではないでしょうか。一つ一つ見ていきましょう。
北岡賢剛氏の出身・学歴について
北岡賢剛氏は1958年に、福岡県で生まれました。筑波大学大学院の障害児教育研究科を修了されています。現在、同研究科は筑波大学人間系障害科学域に改組されており、域は、教授、准教授、講師(助教)、特任助教からなる、全体で40名を越えるわが国でも最大規模の教員陣によって構成されています。
障害児教育において、国内トップレベルの研究が行われている筑波大学大学院で、北岡賢剛氏は障害児教育に関する専門的知識を身につけられたと考えて差し支えないのではないでしょうか。
北岡賢剛氏、福祉業界へのキャリアの始まり
北岡賢剛氏は滋賀県社会福祉事業団の企画事業部長として活躍されました。実務経験を通じて、在宅支援サービスのノウハウを築かれたのだそうです。その後、北岡賢剛氏は、滋賀県社会福祉事業団および「オープンスペースれがーと」の理事長を務められました。
両法人の統合により2014年に設立された社会福祉法人グローでも理事長として活躍されました。さらに、美術館「ボーダレス・アートミュージアムNO‑MA」の立ち上げをリードされたことも知られています。この施設は、障がい者アートの発信拠点として機能しているといえるでしょう。NO‑MAでは障害のある方の作品が多く展示され、地域のボランティアも巻き込む運営が進められました。
北岡賢剛氏が築き上げた数々の福祉事業展開は地域と共生を目指す福祉のモデルとなったのではないでしょうか。
社会福祉・障害支援における主な実績
北岡賢剛氏は、滋賀県にて在宅支援や福祉文化の融合に取り組んでこられました。北岡賢剛氏の取り組みは、地域社会への貢献だったとして高く評価されているようです。
画期的な在宅支援サービスなどの展開
北岡賢剛氏は、1994年に障害児・者を対象とする24時間対応型在宅サービスをいち早く実施されたのだそうです。このサービスは、ホームヘルプ、デイサービス、ナイトケアを柔軟に組み合わせる形で提供するというものでした。滋賀県初の障害児・者に対する24時間支援体制として、高く評価されました。
また、知的障害者通所施設「ワークセンター・デイセンターバンバン」や地域福祉の総合的推進を目的とした新しい社会福祉法人オープンスペースれがーとの設立に尽力されました。
北岡賢剛氏が取り組んだアートと福祉の融合への貢献
2004年に北岡賢剛氏は、滋賀県近江八幡市にある美術館「ボーダレス・アートミュージアムNO‑MA」の立ち上げをリードしたのだそうです。
このミュージアムは、近江八幡市の重要伝統的建造物群保存地区にある昭和初期の町屋をリノベーションして、2004年6月、「ボーダレス」という言葉に思いが込められ開館しました。
“障がいのある人たちによる造形表現や現代アートなど、様々な表現を分け隔てなく紹介していこうとする、館のコンセプトです。”
NO‑MAは障がいのある人たちの表現を幅広く発信する場として機能しています。
これまでNO‑MAはアール・ブリュット作品を中心に、町家や商店を連携拠点とした展覧会を展開してきました。アール・ブリュットは「生の芸術」を意味するフランス語。フランスの画家、ジャン・デュビュッフェが提唱した概念です。
アール・ブリュットと呼ばれる作品は専門的な美術教育を受けていない人が湧き上がる衝動によって制作された作品であり、規制の枠にとらわれない、自由でありのままの表現から創出された作品です。作り手には障がい者も含まれます。
北岡賢剛氏らが立ち上げたこの企画により、地域住民と作家の交流が促進されたといわれています。NO-MAの立ち上げたは福祉と芸術をつなげる試みとして注目され、地域社会に多様な価値提供を行っていると考えられます。文化を通じた、福祉の新たな在り方を示したといえるでしょう。
北岡賢剛氏による講演・知見の共有活動
北岡賢剛氏は「福祉」をテーマにして、2013年11月に開催された未来政治塾第8回講義に登壇されました。
「未来政治塾」は、さまざまな地域や職種、背景を持つ人たちが政治や行政を学び、選挙の仕組みを知ることで、政治の世界への新規参入を促進する政治塾。2012年に始まった未来政治塾は2014年に3期目を終え、ひと区切りとなりました。その後、2018年に「未来政治塾2018」が立ち上げられました。
2013年11月20日に開催された未来政治塾の第8回講義に登壇した北岡賢剛氏は障害福祉と政策の交差点についてのテーマで福祉政策に関する自身の経験を語ったそうです。
また、2018年、日本フィランソロピー協会が行った「ボーダレス・アートの現代における魅力と役割」と題されたイベントではNO‑MAの設立者の一人として、また、アール・ブリュットの世界を牽引する一人として、北岡賢剛氏は、社会福祉法人愛成会の副理事長・アートディレクターの小林瑞恵氏と障がい者アートについて対談されています。
北岡賢剛氏がこういった公の場でされた発言は多くの福祉関連関係者に影響を与えたのではないでしょうか。そして北岡賢剛氏による多くの発言は福祉分野の知見普及に寄与し、次世代の人材育成にも資するものであったのではないでしょうか。現場の実践を政策・教育に繋ぐ、架け橋となったはずです。
アメニティーフォーラムの企画推進にも携わっていた北岡賢剛氏
北岡賢剛氏は滋賀県で毎年開催されている「アメニティーフォーラム」の企画推進にも携わっておられました。アメニティーフォーラムは、障害者の地域生活を推進するための全国的なネットワーク構築を目的として、毎年2月に滋賀県大津市のびわ湖大津プリンスホテルで開催されているイベント。
NPO法人全国地域生活支援ネットワークの主催で、今年2025年には第28回が開催されています。このイベントではこれまでにバリアフリー映画祭やアール・ブリュット展、バリアフリー演劇なども行われており、芸術文化への取り組みがあったというのも北岡賢剛氏の思いが反映されていたといえるのではないでしょうか。
まとめ
北岡賢剛氏は滋賀県で24時間在宅支援事業を立ち上げただけでなく、障害者の文化発信拠点として、障がい者アート、アール・ブリュットの世界を国内で広めている「ボーダレス・アートミュージアムNO‑MA」の設立に携わったことなど、先駆的な取り組みを行ったことは福祉業界で話題となりました。
特にNO-MAは文化を通じた、福祉の新たな在り方を示したといえるのではないでしょうか。こうした数々の取り組みが評価され、北岡賢剛氏は2018年、障害者自立更生等厚生労働大臣表彰、「未来のいしずえ賞」を受賞されています。