1. そもそも就労とは企業の産業活動に参加寄与することで対価を得る契約行為である

そのため企業の活動に対して利益をもたらす事が契約上求められる労働者の義務だろう。

 

 企業の目的はそれぞれである。営利目的のもの、社会活動的なもの、企業はそうした目的を達成するため組織を構築する。その組織の一員となり組織の目的達成のため直接的、間接的に貢献することが労働者の責任であるのではないか。

 

 一方で企業は社会を構成する一員としての立場がある。所属する地域、国、業界それぞれで支えられ、或いは支えている。こうした社会的責任者として障害者雇用の法定雇用率が存在するのだろう。しかし、その雇用が企業の一方的負担であってはならない。そこは我々現場を知ったものが工夫研究しチャレンジド、企業双方に好機をもたらす就労のあり方を構築したい。

 

2.障害者雇用は先天性、中途障害どちらにおいても新規一括採用の流れには含まれないことが多いだろう。そうなると多くの転職組が抱える転職初期の困惑を経験することになる。

 

 「頼まれた仕事、できるけどこのやり方でいいのかなぁ」「この案件の場合、誰に報告するのが正解なのか?」「こんな些細なこと確認するべきか否か」など戸惑いは少なくない。

 

 それが障害者ともなればそうした問題は更に増える。「これは、できない」と伝えるべきかそれとも時間をかけてでもチャレンジすべきか戸惑いの回数は決して少なくない。

 最初にジョブコーチなどキーパーソンの存在があれば話は別だが企業側もどこまで準備するべきか難しい。

 

翻って障害者雇用は特殊ではない。出来ないことではなくその人の出来ること(能力、スキル)をチョイスして業務に生かしてもらえばいい。敢えて難しいことにチャレンジさせず、得意なことを任せ大いに活躍して貰えばいい。出来ないことを助け合う。合理的配慮というより当たり前の行為ではないか。

 

わたしは当事者としてそして現場を知ったものとしてもっと当たり前に障害者雇用を実現させたい。

本来こうして障害者雇用というカテゴリがある事自体が事を複雑にしているのかもわからない。

 それはチャレンジドの中にも身体障害、精神障害、知的障害と大別されるしその中でも肢体不自由、内部障害、視覚、聴覚障害など様々。精神障害でも統合失調、両極性障害、発達障害、睡眠障害など多岐にわたる。それに加え最も大切なことは同じ障害を持ちながらもその人の個性の違いにより職務や生き方に対する行動、反応が違うということだ。これも当たり前のことだけど、障害者と初めて接する方はどうしても身構えてしまう。

 ところが、一つのオフィスに100人居たとする。その際、その100人をいちいちカテゴリで分けるか?あの人は東北、関東、或いはあの人は一人っ子、高卒、◯大卒ある程度知っている情報の中で決めつけをしてしまう場合があるが概ねそういった予測に反し痛い目に会うことは少なくない。結局その人と接し、その人と関係性を繋ぎ、信頼を創りだしやがて協力するだろう。チャレンジドも同じだ。目が見えずすっかり消極的になってしまった人、見えないことに悲観せず好奇心の強い人。人それぞれだ。だからあの人障害あるからではなく〇〇さんは気持ちよく引き受けてくれるから等その人の個性に合わせ上手に付き合う当たり前の職場での行為がここでも続く

 

 人手不足と言われ外国人雇用が推進され女性活躍、定年延長等様々な対策が求められている昨今、”意欲あるチャレンジドの雇用"大いに活用しようではないか。と私は考える