(写真、お借りしました。Mercy beaucoup)
昨日夜、8時過ぎに私の携帯に着信がありました。
私、基本的に、住所録に登録していない番号の電話には出ません。
まず、その番号をパソコンで調べます。
ほとんどがセールス電話です。
しかし、昨日の電話は、そうではないようです。
私、着信履歴から掛け直しました。
驚きました。
今から、40年以上前の会社の同僚のAからでした。
Aは、当時ケーキ職人で、アルバイトでした。
実は、Aはプロボクサーでもありました。
仕事とボクサーの掛け持ちでした。
初対面の時から、私はAに興味を持ちました。
肩の筋肉が異常に発達していたのです。
直観で感じました、Aはボクシング経験者であると。
実は、私、幼少のころからボクシングファンなのです。
また、驚いたことにAは現役で、当時の日本バンタム級の7位ということでした。
そして、ついにAが日本チャンピオンのベルトを掛けて、当時同級チャンピオンの I 選手に挑戦することになりました。
I 選手は、ハードパンチャーではありませんが、学生時代からテクニシャンで知られ、日本タイトルも数回防衛している、日本屈指のボクサーでした。
戦前の予想では、圧倒的に I 選手の下馬評が高かったのです。
試合当日、私、職場の同僚30人くらいで応援に駆け付けました。
また、Aが以前働いていていた、有名ホテルの同僚も50人位応援に駆けつけていました。
私の隣の席には、フランス人もいました。ちなみにこのフランス人は、一時期テレビコマーシャルにも出ていました。
そして、試合のゴングが鳴らされました。
やはり、 I 選手の技術は素晴らしく、Aは序盤は圧倒されていました。
ところが、中盤から I 選手の様子に少し変化が見られ始めました。
パフォーマンスが、あまり出来なくなっていました。
Aは徐々に攻勢に転じました。
そして、最終回のゴングが鳴らされました。
結果は・・・何とAの判定勝ちでした。
我々応援団は正に、歓喜のるつぼ状態になりました。
本当に信じられず、帰りの電車の中で二人になったフランス人と余韻に浸っていました。
翌日のスポーツ新聞には、新王者Aの写真とともに、敗者、 I 選手のコメントが載っていました。
I 選手は、我々応援団のあまりにも熱狂的な応援に気後れしたと語っていました。
確かに、我々の応援は異常でした。
特に、隣のフランス人はその相撲取りのような体格から、ラテン民族特有のテンションでした。
基本、フランス人はボクシング他、格闘技が大好きです。
そして、その試合からしばらくして、私、Aのアパートに一泊しました。
Aの枕の上にはチャンピオンベルトが置かれていました。
そして、それから、1年後、私は会社を退職しました。
それ以来Aとは音信不通でした。
ただ、某雑誌に、Aがアメリカに武者修行に行き、現地で北中米の選手と5試合戦ったという記事が出ていました。
戦績は5戦1勝4敗(3KO負け)だったようです。
その雑誌の記事は、勇敢に本場アメリに単身乗り込んだAのことが大きく特集されていました。
そして、私、数日前にAのことが気になり、ネットで調べました。
結果、Aは40年以上前に、生まれ故郷名古屋に戻り、Hボクシングジムでトレーナーの仕事をしているということが分かりました。
因みに、Hジムは3階級制覇の世界チャンピオンを輩出している有名ジムです。
私、そのHジムに電話を入れました。
出たのは、トレーナーの方でした。
その方のお話ではAはすでに20年前にトレーナーを辞めたということでした。
トレーナーの方は、Aと交流が途絶えているが、何とか連絡をしてくれるということだったのです。
そして、昨日のAからの電話になったのです。
Aは、現在地元でケーキ職人をしているとのことでした。
現在70歳です、元気です、安心しました。
Aとは来年再会することを約束して、電話を切りました。
おそらく、私が、名古屋に出向くことになるとは思います。
しかし、今から楽しみです。
