北朝鮮の今後の行方に対する雑談 | 徐裕行のブログ

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北朝鮮のナンバー2に当たる張成沢氏が粛清されて間もないが、北朝鮮の今後の行方についての展望について記しておきたい。

張成沢氏は中朝の太いパイプの役割を果たしていた。北朝鮮にとっても中国にとっても重要人物であった。
その彼が粛清された理由として噂されているのは、張成沢氏はそもそも朝鮮の古い儒教的価値観の持ち主であり、長幼の序を重んじる人であった。そのため金正恩第一書記の誕生を心から祝福することができず、金正日総書記の後釜には長男である金正男氏が継ぐべきだと考えていた。

北朝鮮は社会主義国家として建前上は無宗教であるが、庶民も形ばかりかも知れないが彼岸や祖先の命日には祭祀を行い、日本の戦時中以上に長幼の序にうるさい国民性を持っている国だ。
そんな思いからか、北朝鮮国内では世襲の目がなく身辺の安全も危ぶまれていた金正男氏の後ろ盾となり、中国で庇護する道をつけたのが張成沢氏だったのだ。

張成沢氏の周囲や配下にも内心では金正恩氏への権力の禅譲を快く思っていない人たちがいた。彼らは語らい、実質的に国外退去処分的な処遇に置かれている金正男氏の処遇改善、ひいては権力奪取構想も図られていたのだという。

北朝鮮は秘密警察国家でもある。たとえ国家ナンバー2に当たる権力者であろうとも盗聴を含め、24時間監視されていた。張成沢氏はまんまとその罠にかかり、周辺者や配下とともに粛清されてしまった、というのが大方の見方である。

さて、寝耳に水の粛清劇に驚かされたのは連日テレビに噛り付いている我々視聴者や新聞の読者だけではなかった。一番びっくりしたのは張成沢氏とのパイプを長年暖めてきた中国の権力者たちであった。

張成沢氏はゴールデン・ロイヤルファミリー(金王朝)の身内で一定の発言権があり、中朝の意思疎通に欠かせない人材だった。その彼が、事前に何の相談や報告、連絡もなく電工石化のごとく粛清されたことは正に青天の霹靂であるとともに中国の面目を大きくつぶしてしまう結果となった。

中国と韓国が歩調を合わせて歴史問題で日本パッシングをしている間に北朝鮮が水面下で日本と距離を縮めている姿は中国サイドからは実に苦々しいことである。中国にとって金正恩第一書記はもはやコントロールしにくい存在であると判断されているという。

中国の手元には金正男氏というロイヤルファミリーの継承者がいる。正男氏が長男であることはより正当性を強調する材料であるともいえる。その彼は長年にわたり中国の庇護を受けており、中国に対する感謝の気持ちもあるはずだ。
ましてや正男氏はかつて「今後の北朝鮮は、中国のように社会主義を標榜しつつも経済活動を重視した二面政策を展開していくべきだ」とも発言しており、中国と歩調を合わせるには最適な人材である。

その中国がいまやコントロール不能の金正恩第一書記を廃して正男氏擁立に動き出す構えだというのだ。

じつはその動きに同調しようとしている国がある。
米国だ。
北朝鮮には資産価値にして600兆円以上といわれるほどレアメタルなどの鉱物資源が眠っていて、米国はその利権を喉から手が出るほど欲しがっていることは間違いない。

近々CITY BANKの平壌支店がオープンするという噂もあり、外交ポーズとは裏腹に米国の影響力は既に北朝鮮の深いところまで入り込んでいるという見方もある。
本当かどうかは知らないが、北朝鮮が国民の飢えを知りつつ核やミサイル開発に巨費を投じてきたのも、米国のディスインフォメーションの成果だという人もいる。
極東地域である程度の緊張感を維持することは日本と韓国から用心棒代をむしり取れるなど米国にとっては益するところ大なのだそうだ。

ただし、それもあくまで極東地域に限定した緊張状態の維持が条件であり、米国まで届く長距離弾道ミサイル技術を開発するに至っては、リスクのほうが利益を上回ってしまうので、いっそのこと北朝鮮の利権を中国と分配しようという密約を協議しはじめているというのだ。

実際にクーデターが起きるのかどうかは分からない。
ただ、アジア情勢の現状や動向から見て、そういうことが起きても不思議ではないと思う。

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