日系人の私が見た米国の反日活動「20年の闘い全記録」



クリス三宅(北米日台同盟会長)


(青林堂『反日活動』より)


 この度、私の初めての本が出版されることになった。


 最近、日本人の保守系に対するフェイスブックの言論弾圧が目立ってきたことも、私が出版しようとする動機付けを後押しした。まだまだ日本に住む日本人に伝えたいことが山のようにある。この本が現状を知る上での参考になり、何らかのきっかけになれば嬉しい。


 私は11歳の時、1963年9月に移民船で渡米してから日米を往復しながら、通算、40年間、アメリカで生活をしてきた。現在のように簡単に格安で飛行機に乗れる時代ではなく、それだけ日本への思い入れが深かった。


 渡米当時は日本全体がまだ貧しい時代で、イメージとしては白黒写真の世界だった。だが、当時は皆さんが協力しながら絆を大切にする生活をしていたように思う。私にとって日本での少年時代の思い出がルーツであり、活動の源である。


 1963年から母、兄、弟とともに日本を離れ、父が待つアメリカでの生活が始まった頃は、白黒写真のイメージの日本から天然色のアメリカに移り住んで、見るもの聞くもの触れるものにカルチャーショックを覚えたものだ。日本と異なる環境でいろんな経験をし、少しずつ日本人としての誇りと自信が芽生えてきた。


 私は長年、アメリカで生活して、遠くから日本を眺めてきた。今日まで何十回と訪日して、日本、日本人を観察してきた。日本で生活をしていたら気づかないことを、海外から日本に向けて発信してきた。その一部を本書で紹介させていただいた。


米サンフランシスコ市の中華街にあるセント・メリーズ公園に設置された慰安婦像と碑文=2017年12月

 私は20数年前、40歳になってから、言論活動を本格的にスタートし、初期の頃は、仲間とデモや抗議行動を中心に展開してきた。アメリカで活動する韓国系、チャイニーズ、在日、反日の日本人からの理不尽な攻撃を体験し、職場を2度替えざるを得ない状況に追い込まれたこともある。でも、それにメゲる私ではない。そういった経験は逆に私を強くし、攻撃力も増してくるものだ。



 2000年を過ぎた頃からYouTubeやブログで発信を開始し、日本の言論人と親しくなった。その後、その中の一人、国際政治学者の藤井厳喜氏のロサンゼルス講演会を3度主催することになった。2014年1月にはロサンゼルス講演会が終了後、私が運転する車で、8時間かけてサンノゼでの講演会にも出向き、次の日には慰安婦像設置計画があったクパチーノ市役所に藤井厳喜氏と出向き、市長と1時間面談し、慰安婦像設置を阻止したこともある。このクパチーノ市は、アップル社の本社があり、世界抗日連合会の本拠地があるので、阻止できたことは大きな前進だったと思う。


 また2009年に、日本では民主党政権が誕生した。だが、この党は言っていること、やっていることは党名とはかけ離れ、危険な匂いがする政党だった。それまで、なぜかメディアのミスリードや印象操作によって、民主党に風が吹き、勢いづいてきたことに当時の私は危機感を覚えていた。多くの日本人がなぜ民主党を応援するのか理解できなかった。


 私の祖国が国柄を失い、壊されていくことを阻止しなくてはいけないと、言論活動にも力が入ってきた。私が恐れていたことが現実のものとなったのは2011年東日本大震災が発生し、同時に原発事故が起こり、日本が大パニックに襲われた時だった。


 当時の民主党政権の対応は、やることなすことまるで素人で、状況をひどくするだけだった。国益を失い、鳩山政権、菅政権では世界中から信用まで失ってしまった。


 前述したように私は20数年前から言論活動をスタートしているが、特にここ10年はアメリカで、韓国系との竹島問題での衝突や、慰安婦像や慰安婦碑設置阻止に動き回っていた。全米、世界各地で計画が上がり、日韓合意後もその勢いが変わることはなかった。


 米国のグレンデール市でも慰安婦像設置の計画が発表され、公聴会があった。私も公聴会で発言したが、もうすでにこの時には慰安婦像設置に向けた計画が進められていた。公聴会は反対する人たちに発言のチャンスを与えたというアリバイづくりでしかなかった。


 この時期は私生活でも色々あった。2年半、仕事をしながら自宅で母の介護をしていた。同時期に私が重度の糖尿病と診断された。そんな肉体的にも精神的にもシンドイ頃、私はボランティアで日米を往復し、慰安婦問題の解決に向かって動き出した。



2009年8月、民主党の衆院選開票センターで、

候補者の名前のボードに当確のバラを飾る

鳩山由紀夫代表(左)と平野博文党役員室長(早坂洋祐撮影)

 母の介護、訪日で仕事も調整しなくてはいけなくなり、その結果、収入も大幅にダウンした。その上、訪日時は有料の介護スタッフに定期的に自宅に来てもらわなくてはいけなかった。


 だが、私にとって慰安婦問題などの嘘やデタラメは我慢できなかったのだ。それ以上に先人、英霊、ご先祖様の名誉、尊厳、功績、信用、誇りを汚す行為が許せなかった。


 私の動きが少し、関係者に知れ渡るようになると、多くの日本人からは励ましの言葉をいただけるようになった反面、一部の人は私に対して、呆れているようだった。母親の介護を放棄して、そんなことをやっている場合じゃないだろうと、時折、私の優先順位に対して皮肉っぽい声が遠くから聞こえるようになった。いいのだ、誰がどう思おうが、私は自分の信念を貫くだけだった。


私は日米で韓国系、中国系、在日、日本人の反日勢力を敵にして闘ってきた。だが、私は人種差別者では決してない。彼らに汚い言葉を浴びせたこともない。彼らとはいたって紳士的に闘ってきたつもりだ。


 一般の善良なコリアンやチャイニーズとも長く付き合ってきた。特にチャイニーズ系アメリカ人とは小学生の頃から仲良く助け合ってきた。問題なのは80年代から大量に入り込んできた中国からの新移民たちである。


 アメリカに住む旧チャイニーズは日系より20年も30年も移民歴が長く、私たちの先輩なのだ。彼らも今やアメリカでは6世の時代であり生粋のアメリカ人である。新移民とは考え方、マナー、価値観が大きく異なる。新移民が8割を占める日本と、事情を同じに考えると状況を見誤る。


 私はおかしいことには声を上げてきた。日本人や自民党に対しても理不尽なこと、おかしいことは批判してきた。これまた日本のためである。


 次世代の日本が嘘やデタラメを押し付けられないために我々の時代に解決できるものはしなくてはいけない。日本政府が今まで事なかれ主義や先送りで、物事を複雑にしてきた。そんな政府に反省させ、二度と同じ過ちを繰り返してはならないと訴え続けることが重要だ。今更、声を抑えて我慢することは精神衛生上あり得ない。


 しかし、何事も闘いは、一歩下がって戦術、戦略を練ることも必要だ。いたずらに声を出せばいいというものではない。今後は、多くの仲間、同志、日本を愛する人たちと連携して、風を起こす方法を模索したいと思う。


 日本人が一人でも多く目覚め、現状に気づき、少しでも良い方向に動いてくれれば、何かが少しずつ変わる気がする。私は微力でしかないが、今後も声を出し続けて、少しでも世を糺す力になるつもりである。


 アメリカでは台湾独立運動に取り組むとともに、南京大虐殺、慰安婦問題という嘘と闘って来た。今まで日本政府、外務省の事なかれ主義や先送りによって嘘が一人歩きして事実化し始めたこと、日本を貶めるロビー活動を目の当たりにしたことで、少しでも祖国の役に立ち、貢献したいと思って、これまでボランティアで活動して来たのだ。


 最近、移民問題がよく話題に上るが、左翼の美辞麗句に惑わされず、絶対に受け入れてはいけないと思う。というのも、移民を受け入れると間違いなく国内の治安は悪化するし、日本の場合、大量に流入してくる民族は韓国と中国だ。何しろバランスが悪い。それも反日教育が徹底された反日国からなぜこんなに数多く受け入れるのか、理解に苦しむ。


海上自衛隊対馬防備隊本部に隣接する浅茅湾沿岸には韓国人専用のロッジが並ぶ=2017年10月

 対馬に来る韓国の観光客は、マナーがひどい人が多いと聞く。ゴミはどこでも捨てる。釣り客は禁止区域にも平気で入り込み、周辺にちらかして退散する。食堂には平気でキムチを持参して、ご飯だけオーダーし、他の客への迷惑も考えず、どんちゃん騒ぎする。


アメリカから日本に戻るたびに、ハングルの表示が増え、在日や韓国人観光客の多さには毎回恐ろしさを感じている。私の考えすぎだろうか?


 しかし私はアメリカで韓国人の素行の悪さを目にしているから、日本がいずれそういうふうにならないかと心配なのだ。


 本当に日本の政界、財界、マスコミはどうなってしまったのか、と思うことが多くある。私が懇意にしている有能な議員や元議員たちもさぞかしストレスがたまり、歯痒い気持ちでいっぱいだろう。


 左翼や反日政党議員にも問題が多いが、自民党も無能で志に欠けた政治家を、組織票によって受け入れ過ぎたことにも原因があるのではないだろうか。そういった政治家しか選べない仕組みを変えない限り、何も変わらない気がする。


 日本が主権国家としてやるべきことは何か、本来の日本の国柄とはどういうところか、今後の日本の方向性はどうすべきか、国民の生命と財産をどう守るべきか、など、基本的なことを何も理解せず、考えていない人たちが政治家になっても、国が良くなるわけがない。



クリス三宅氏

 今の日本が危機的状況にあると認識し、真剣に問題意識を持って取り組んでもらいたい。一日も早く、日本人の日本人による日本人のための政治が実現することを願っている。


 日本は素晴らしい国だ。特に、アメリカで長く暮らしてきたからこそ、何故なのかを理解し、実感できる。しかし、アメリカから今の日本を見ていると、徐々にそれが失われつつあることが残念でならない。


 本書では私の自分史、体験、提言、ぼやき、情報を中心に書き綴った。皆さんにとって参考になる内容であってほしいと願う。


 そして、この本をお買い求めいただいた読者の皆さんと共に、日本が今後、日本が国柄を失わず、世界から尊敬され、お手本とされる国となることを目標に、引き続き頑張りたい。



クリス・みやけ 1952(昭和27)年、鳥取県境港市で生まれる。アメリカ生まれ(帰米2世)で柔道家の父親のもとで育つ。1963年、アメリカ・ロサンゼルスへ渡る。在米期間、通算40年。日米で俳優活動を行ったのち、整体ビジネスを経営。北米日台同盟会長、「LA・日本をよみがえらせる会」代表。グレンデール慰安婦像設置を反対し、国際政治学者・藤井厳喜氏と共に慰安婦像設置を阻止した。海外から日本に向けて発信するオピニオン・リーダーの一人。


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こうやって、遠くアメリカから祖国を想い活動されてるクリス三宅氏、私も微力ながら何か役に立てること考えて行動に移さないといけない。


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