代表的ムシ歯菌のミュータンス菌はキシリトールを取り込むけど代謝出来ずに排出すると言う全く無益な利用の仕方をします。
(これをキシリトール無益回路と呼びます。)
これは、ミュータンス菌にとって余分なエネルギーを使うこととなり、かなりのダメージを与えることになります。

そして遂には、ミュータンス菌は疲れ果てて数を減らしてしまいます。
ところが口腔内にはキシリトール耐性のミュータンス菌がミュータンス菌全体の1割程存在していてキシリトールで弱った分の菌数はこの耐性菌にとってかわられてしまいます。だから、ミュータンス菌全体の数は、さほど減りません。
これは、プロバイオティクス(善玉菌との共生)の考え方からするとすごく有利な状態です。

何故なら、この耐性菌はプラーク(歯垢)の基になる不溶性菌体外多糖体(水に溶けないつまり唾液に溶けて流れて無くならない多糖体)を作る能力が低いのです。
だから、歯垢が少なく落としやすくなると言う訳です。

ただし、キシリトールはミュータンス連鎖球菌にも消化されませんが、人間にも時々消化できない人がいて、下痢をさせるそうです。

ですから、キシリトールが身体に合わない人はご注意くださいね