健康診断結果をクライアントに提示。相当厳しい内容も提示することになったが、非常に感謝された。特に執行役員クラスでバラバラだったベクトルが社長、副社長の意思決定により一本にまとまった。

この中間報告でのこちらサイドの目標は2つあった。1つは幹部層の意思統一。もう一つは不採算事業の抜本的収益改善にメスを入れるという意思決定。2つ目に関しては、手をつける必要があり、手を付けたいとの言質は取れたものの手を付けるとの言質は取れなかった。1勝1分けといったところか。

最終報告に向けて引き続き粘り強く不採算事業のあり方を説き続ける。それと処方箋。あるべき処方箋として提示するのか、クライアントともに創り上げるかを思案中。ここが医者との違いか。
(ちょっと好評)新人アナリストS君とのコンサル対話第2弾

S「儲ける仕組みってイメージは分かるんですが、具体的にどういった構造なんでしょうか?」

P「これの定義って俺も結構悩んだんだよね~。どう思う」

S「売上方程式は構造の一つかなと思います」

P「確かにそうだね。売上方程式を分解すると数量×単価となり、数量は市場規模×シェアとなるしね。他には」

S「利益の観点も必要かなと。利益=売上-費用となるので、費用を分解すれば原価とSGAになります」

P「儲けの仕組みだから、仕組みとはを考える必要があるよね」

S「仕組みとはメカニズムなので、つまり収益という従属変数に対して各説明変数の関係が確立された状態があるということでしょうか」

P「なんかかっこいいね。まあ一言で言うと”利益関数”なんだろうな」

S「利益関数?」

P「収益=f(利幅,個数,販売期間,タイミング,取引相手)ということかな」

S「はあ、なるほどこのfの説明変数の位置付け重みを変化させる事が利益を変化させることになると。つまりこの利益関数をいかに企業として構築するかが儲けの仕組みになると」

P「まあ、そういう事だけど、もう一つ大きな要素があると思うんだよね。」

S「???」

P「儲けの原理みたいなことだよ。例えば設備投資型の企業はどうすれば収益が増える?」

S「ええと、設備の減価償却費を賄う売上が上げられれば・・・あ、規模の経済ですか」

P「そうそう。となると他にもいろいろあるよね」

S「範囲の経済、経験の経済」

P「集中化と外部化の経済、ネットーワーク外部性なんてのもあるよね」

S「なんて言えばいいんでしょうね」

P「Aという結果になった背景にはBという原因があるわけだが、B⇒Aの⇒は誰がやっても普遍なわけだからまさしく原理だよね。だから”収益原理”でいいんでない」

S「はあ、なるほど収益原理ですか」

P「つまり儲けの仕組みとは”利益関数”を構築し、介在する説明変数をいかに”収益原理”に沿うような変化、調節、管理のオペレーションと言えそうだね」

S「奥が深いですね~。儲けの仕組みって頭で考えて作るのって難しいですね」

P「そこは同意。実際ほとんどの儲けの仕組みは出来上がったら利益関数が上手く収益原理を捉えていたと言う後付だと思うんだよね。まあ、そのメカニズムをいかに創り上げるかが今回の仕事なわけで」

S「はい。これが作れれば何が良くて何がダメなのか検証可能ですね」

P「ということで、週明けにドラフトよろしくね~」