原発議論が囂しい(かまびすしい)。
プロブレムソルバーは日本のロケーションが日本列島でなく、ヨーロッパなら大いに脱原発に賛同する。しかし、日本が日本列島という東アジアに位置する以上、この意見に同意できない。

欠けている観点があるからだ。それは、ズバリ核武装の観点だ。

周りを中国、北朝鮮、ロシアという覇道主義を標榜し、核兵器保有国に取り囲まれている中で、原発を無くすことは、核武装という安全保障オプションを放棄することに直結する。

原発を50数基抱えているということは、潜在的各武装が可能という事実がある。このことは周辺核保有国に対する抑制力があることにほかならない。(厳密には日本は軽水炉であるため、核武装に時間はかかるが、使用済み核燃料があるということは核武装への転用が可能である)

プロブレムソルバーは、近現代史と戦争の研究がライフワークでもあるため、自然災害より、他国の侵略の方が圧倒的に不幸であることを痛切に理解しているつもりだ。例えば中国によるチベット、ウイグルでどんな残虐行為が行われてきたか。身の毛もよだつ残虐性であるため、詳細は割愛するが、自国の犯罪者を送り込んで強制的に婚姻関係を持たせるなどの民族浄化が50年以上に及んでいるのはほんの一例。

断言してもいいが、日本が原発を全廃した段階で、上記三国のいずれか一国は何らかの軍事行為を起こすだろう。戦争の発火点は、ほとんどが軍事的バランスが崩れたときに生じており、原発喪失は核保有という観点から大きくバランスを欠く。アメリカの核の傘なんぞ、張子の虎でしかなく、日本が核攻撃を受けても100%アメリカは各反撃をすることはない。これも断言できる。

日本人は、目先の顕在的リスクである放射線に目を奪われているが、潜在的リスクである他国侵略には全く思考が及んでいない。

千年に一度の災害が起こったから、しばらくは地震はこないのか?そんな保証はどこにもないことは日本人自身が良くわかっているはずだ。だから反・脱・減原発議論が巻き起こっている。

一方で、中国・北朝鮮・ロシアは本当に侵略してこないのか?実はそんな保証はどこにもないが、多くの日本人が知らないのか、気づかないふりをしているのか、全く議論は起こらない。

プロブレムソルバーは、放射線リスクは日本人全体の数%、多くとも10%の犠牲で済むが、侵略リスクは日本人の国体つまり歴史の断絶ひいては民族の存亡に関わると考えているため、100%の犠牲があると考えている。

どちらのリスクが大きいか?その答えは明らかだと思う。