まもなく総選挙である。様々な政策が各党から出されているが、突き詰めると、財源どうするの?ということになる。日本株式会社の視点でこのテーマを論じてみる。

要は他社(他国)と、比較してデッドエクイティレシオが高すぎるが、この先債務超過になったらどうするの?といった点がイシューとなっている。ここで重要な点は借金があることを問題視してはいけないということ。借金があること自体は特段問題ではない。問題は償還できない状況にあるかどうかである。国民一人当たり約650万円と報道されているが、償還期間が長ければ何の問題もない。

国債残高比率はOECD加入国と比較すると、確かに高いが、まだまだ償還体力は充分であり、国債の格付けも先進諸国より少し劣る程度である。したがって、国債発行余地は依然充分と考えられる。

但し、税収が減少することが予測されているため、このままのペースで行けば債務超過のリスクはある。ここで考えられる打ち手としては、税収をどうやって増やすか?(歳入ではないので注意)と借入をどうやって返済するか?つまり、歳出をいかに削減するか?という2点が論点となる。

この2点に明確な打ち手を提示している政党が、日本株式会社の再建計画の見通しがある政党ということになる。更に突き詰めると歳出に占める投資の割合を良く見極める必要がある。この投資比率が税収増の一ファクターであるからだ。更にその投資内容についても吟味が必要だ。リターンの見込める投資であるかどうか?

歳出に関しても投資以外の支出(社会保障費など)の効率化を打ち出しているかが重要である。高齢化が進捗する過程においては、現制度のままでは、社会保障費は膨らみ続けるからだ。

打ち手としては、次の2つのオプションが考えられる

①最適投資による税収の増収⇒借入返済
②歳出削減⇒削減分の借入返済

①はいわゆる成長戦略②はコスト構造の抜本改革となる。

①であれば、投資分野の見極め(環境、バイオ、金融、IT、製造業)や税制のあり方(法人税、消費税)が戦略オプションであり、②であれば、歳出構造の組替え(中央集権or地方主権)や削減項目(医療、教育、交通、安全保障)の見極めが戦略オプションとなる。

①に関して言えば、他国(競合)と資本・経済市場(市場)の影響も加味しなければならない。②に関して言えば、国民ニーズ(ユーザー)と行政能力(サプライヤー)を見極めねばならない。

残念ながらここまで考えられたマニュフェストはない。上記の戦略オプションの妥当性、実現性を見極めて投票の意思決定を下そうと思う。