信じられないほど,鑑定センスも技術もない鑑定人モドキが出現している。まさか,この偽造された筆跡に対して真筆といってくる鑑定人などいないと思う矢先に,真筆といってくる鑑定人モドキが存在するのだ。

 

これらの鑑定人の特徴は,類似鑑定法を使って鑑定する鑑定人モドキであり,巧妙な模倣筆跡ならいざ知らず一般の方が他人の筆跡を少し真似た程度の筆跡がすべて真筆となる。そんなことから,彼らの鑑定した偽造筆跡が,別人の筆跡と書かれている鑑定書を見たことがない。

 

これが法廷に持ち込まれると,裁判官が鑑定書の内容を読み,どちらの鑑定書が信憑性が高いかを判断するというのが一般的な流れである。

しかし,これですべてが正しく判断されているかというとそうではない。

 

そこで,よい案を閃いたので紹介したい。まず,裁判所で本件とは関係のない3つの署名の鑑定案件を用意する。

 

①3件すべて本人の筆跡であるもの

②3件すべて別人の筆跡であるもの

③1件は真筆で2件は偽筆のもの

④2件は真筆で1件は真筆のもの

 

の4パターンのうち,当日にいずれかのパターンを裁判所で組み合わせ決定する。偽筆は勿論すべて巧妙に似せて書かれたものだ。

裁判官は,異なる鑑定結果を出した2人の鑑定人を法廷に呼びつけ,その場で鑑定人にこれを鑑定させるというものである。

 

私であれば,3案件の署名であれば,10分もあれば鑑定結果は出せる。

即ち,正答率でどちらの鑑定人の鑑定結果の信憑性が高いか否かを判断してもらうという,理にかなった方法である。

 

私は10分もあれば容易に結果は出せるが,時間がかかるからできないというのであれば鑑定センスも技量もないことも分かる。そんなに早く,正確な鑑定結果が出せるのであろうかと疑問をお持ちの方に説明させていただく。10分というのは私が鑑定する場合であって,他の鑑定人モドキは10分程度では鑑定結果は出せないし、正答率も大変低いことは推察するできるが、このような鑑定センスで鑑定を行ってはいけないのだ。

 

是非,この方法を取り上げていただきたいものである。そうすれば,技術の低さが露呈された鑑定人は,裁判所への鑑定書の提出を制限できるし,技術の高い鑑定人のみ提出が許されれば,異なる鑑定結果も非常に少なくなるという理屈である。それに加え,裁判に要する時間も大きく短縮されるのである。依頼人にとってみれば,反論書などの追加依頼をしなくて済むので,余計なお金を鑑定人に支払うということもなくなるという一石二鳥なのだ。

 

良い方法であると思うのであるが,こういった提案を裁判所にしたいのであるが,どのようにすればよいのかご存知の方がいらっしゃれば,是非ご教示いただきたい。

筆跡鑑定業界はどうしようもない鑑定人で溢れている。署名や自筆遺言書の鑑定依頼は,本人の筆跡とは違うのではないかということから始まる。つまり,模倣筆跡の可能性を多分に含んでいるのである。

 

それでも,分かりやすく目立つ特徴を指摘し『類似している』などと言って同筆だと述べるのである。このような鑑定センスで鑑定を行ってはいけないのだ。何度も言うが,偽造者は似せて書くので分かりやすい箇所を指摘して『類似している』と述べることに何の意味があるのかということを少しは考えてもらいたい。

 

また,鑑定人が都合の良い箇所のみ指摘することは明らかに間違っている。指摘箇所は,画数の多い漢字では50箇所以上も指摘できるのに,指摘箇所に選んだ基準や理由などありゃしない。

 

科学,科学…という鑑定人に限って科学という意味を理解していない。根拠のない都合の良い理論を並び立ててはいるものの,その検証結果を明示するという基本さえも知らずに,勝手な妄想をふくらませ、同筆,異筆要素を並び立てる。

 

『デジタル技術は目視では分からない多くの情報を得ることができる』などと述べ最新の技術のように装っているが,一体,その情報とは何なのか,またそれをどのようにに活用するのかなどの核心部には一切触れていない。これでは詐欺と変わらない。

 

こんな体たらくな鑑定では,筆跡鑑定の信憑性がますます低くなるのだ。提出された,他社の鑑定書や報告書を読む度に,どうにかならないものかと悶々とする毎日である。

平成も終わろうとしている。昭和から平成までのおよそ93年の間,どれだけ筆跡鑑定は信憑性があるのかと問われ続けてきたのであろうか。知恵袋にある筆跡鑑定に関する質問や筆跡鑑定と検索しても,いまだにこの手の質問はやたらと多い。

 

その回答といえば,体験談などの経験に基づくもので,そのほとんどが占いレベルであるとか,鑑定人をバカにする輩まで現れる始末である。私にとって本当に勘弁してもらいたいのだ。

 

こんなくだらない議論など一生やってもその真意などわかる筈もない。ところが筆跡鑑定の信ぴょう性の有無など意外と簡単に分かる方法がある。

 

警察系の研究機関や鑑定人と自称している者がこのように簡単に行える方法をなぜ実践しようとしないのか。それは,その方法がわからないのか,面倒なのか,それとも自分の鑑定技術レベルが露呈されと困るのか。

 

私は,近い将来このことを検証するつもりである。方法は簡単なので以下に述べてみる。

 

① 第三者にある文章を書いてもらう。

② その第三者にその文章を同じように書いてもらう

 

①と②の文章を鑑定人が鑑定をおこない『同一人の筆跡』と結論すれば正解である。

 

次に

 

③ ①で書いてもらった筆跡を巧妙に真似て書ける別人物に模倣筆跡で同様に書いてもらう。

 

そして,異なる文章で,書き手を変えながら真筆と偽造筆跡の組み合わせを10パターン用意する。

 

鑑定人は,この10パターンの筆跡を鑑定して正答率を求めればよい。10パターンで少ないのであればもっと増やせばよい。 


正答率が高ければ、まずは「筆跡は時と場合によって異なるから筆者識別はできない」というアホな意見を一蹴できるのだ。忘れていたが、鑑定はコピーで行うのだ。そうすれば「原本でなければ鑑定できない」ということが、真っ赤な嘘ということも合わせて証明できるから一石二鳥である。

 

当然のことながら,100%の正答率でなければ「精度の高い鑑定」とか「一流の鑑定人」とは名乗れない。一方、正答率の低い鑑定人は,鑑定という職を失うことに繋がる。そうすれば,法廷に提出される鑑定書のレベルが向上し筆跡鑑定の信憑性が高くなるのだ。

 

このような非常に簡単な方法で,筆跡鑑定の信憑性があるとかないとかくだらない議論などする必要がなくなるのである。それに,正答率の優秀な鑑定人が現れれば,裁判の筆跡鑑定証拠能力が一層高まる。つまり,筆跡による偽造などの犯罪に対する抑制効果がこんな簡単な方法で実現できるのである。

 

更には「精度の高い鑑定」などと謳っている鑑定所のその真偽も分かるし、警察系の研究機関に所属している鑑定人の鑑定技術レベルも把握できるのである。また,「伝統的筆跡鑑定法」が筆者識別に役に立たないことも立証できると考えている。


どうであろう。こんな簡単な方法で100年近くもああだこうだと言われてきた筆跡鑑定のその真意が分かるのだ。このことは、筆跡鑑定が検証されていなかったという非常にバカバカしい実態から生じていたのである。

 

私は,これを行う方法を模索中である。どなたかよい方法があればご教授教授いただければ幸いである。

 

果たして,この検証に是非参加したいという鑑定人はいるのであろうか。私はこの検証に中立公平な立場で参加し正答率を公表したい。