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「桜人」
自分の愛する桜がある人をこういうとか。

桜に会いに行くようになったのはここ数年。
それまで近所の公園にある桜を楽しむだけで構わなかった。

桜は静かに愛でたい。
桜の下の大宴会はいただけない。
この思いはもうずっとずっと前の雨の日の朝のお花見につながる。

その日そこで見た桜の綺麗なこと。誰もいないその場所で、
けなげに、しかし、凛と咲いていた。
えもいわれぬほど見事で声を失った。一面桜。目に入るものは桜だけ。かすかに香る。
満開の桜の素晴らしい風景はこのまま焼きつき、何年も私の心にしまわれていた。
この日の桜に勝る桜にそれ以降お目にかかれなかった。


そして数年前この思い出を辿ってみた。
たぶんこの場所だと思うところの桜は大きく成長し、大勢の人がつめかけていた。


去年、思い出の場所から足を伸ばしてもう少し先まで歩いてみた。
その時目に飛び込んできたのが門の向こうに咲き誇る桜。
門がまるで額縁のようで一幅の絵画をみている心地。
動けなくなった。心を奪われた。

今年はあの日と同じように雨の朝、静かなうちに桜に会いに行った。
絵を残すためにでかけた。
期待は裏切られなかった。
いい桜だった。