くら寿司がスシローを大きく引き離す
8月4日、くら寿司の7月売上データが公表された。
7月の既存店売上高は前年同月比101.3%、コロナ禍前(2019年同月)比105.7%。
休日数は、前年同月と同じだが、2019年同月よりも2日多かった。一般に、外食店の場合、休日の方が平日よりも売上高が多い傾向がある。
くら寿司よりも前に7月売上データを発表したスシローの既存店売上高は、前年同月比89.8%、コロナ禍前(2019年同月)比89.7%だった。
2社のコロナ禍前比の数値を単純比較すると、
くら寿司105.7% >> スシロー89.7%
と大差がついてしまっている状況だ。
くら寿司原宿店のクレープ屋台
くら寿司好調の背景を考える
7月のくら寿司は、ONE PIECEの新作映画とのコラボキャンペーンを実施したほか、「できたてシリーズ」という高単価定番メニューを大々的に展開していた。既存店売上高は客数と客単価に分解できるが、開示資料からは客単価の改善が大きく貢献したことが分かる。客単価の改善要因としては、以下のような可能性が指摘できる(実際にそうだったかは分からないが)。
ONE PIECEのグッズが欲しい客がたくさん飲み食いした。
ONE PIECEのビッくらポン!をやりたい客がたくさん飲み食いした。
できたてシリーズなど高単価定番商品の売れ行きがよかった。
くら寿司のキャンペーンは、アニメやキャラクターものとのコラボが多く、色々な趣味の客が入れ替わり立ち代わり来店するきっかけになっている。広告宣伝コストは高めだ。
コラボ商品〜ルフィーのRED骨付き肉
できたてシリーズ(皿が2枚)
スシローの不振
スシローの不振については他の記事でも触れたので詳しくは述べないが、要するに、
おとり広告問題、からの
生ビール半額セールフライング問題、からの
生ビール半額セール早期売り切れ問題
というオウンゴールのハットトリックによるもの。
スシローのキャンペーンはくら寿司とは異なり、ほぼ毎回、「貴重なネタが今だけこんなに安い!!」という内容。いまや、アピールしても響かなくなっている可能性があるし、客層が入れ替わらないという問題がありそうだ(想像)。