7/29(金)に王将フードサービス(王将FS)2023年3月期1Q(4-6月)決算を発表した。

 

王将FSは餃子の王将の運営会社。大阪王将とは関係ない。

 


  • 売上高は226億円、前年同期比11.9%増、1-3月比2.8%増。会社計画に対する進捗率は、上期計画比51%、通期計画比25%概ね計画通りに推移しているように見える。

  • 営業利益は22億円、前年同期比28.1%増、1-3月比12.7%増。会社計画に対する進捗率は、上期計画比63%、通期計画比29%計画をやや上回って推移しているように見える。

  • 営業利益率(営業利益/売上高)は9.7%。前年同期の8.4%や、1-3月の8.8%を大幅に上回った。粗利率(売上総利益/売上高)は68.8%。前年同期の68.9%を若干下回るが、1-3月の68.7%を若干上回り、概ね横ばいと見てよい。販管費比率(販管費/売上高)は59.1%。前年同期の60.5%や1-3月の59.8%を大幅に下回った。

  • 営業利益率の大幅な改善(及び営業利益の大幅増益)は、①粗利率を維持しながら売上高を大幅に拡大できたこと、及び、②販管費の増加幅を抑制することに成功したこと、に起因している。

  • 粗利率を維持できた一つの要因として考えられるのは、①使用している主力原材料が国産食材であり、円安影響を直接に受けにくいこと、②それでも高騰気味の原材料価格高騰に対してメニューの値上げで対処したこと、であろう。後者について、同社は5月中旬に主力メニューの値上げに踏み切った。値上げ後に客数の減少は見られなかった(むしろ増加した)と同社はコメントしている。

  • 販管費について、人件費、物流費、水道光熱費などは増加傾向にあると思われるが、1Q時点において、増加幅はあまり大きくなかったようだ。 

  • 経常利益は30億円、前年同期比3.4%減、1-3月比1.9%増。経常利益には補助金収入(時短営業協力金など)が含まれているため、前年同期比で減益となった。補助金収入は8億円。前年同期は14億円、1-3月は9億円。現時点で同社の業績を判断する上では、経常利益よりも営業利益に注目すべきだろう。


 

まとめ


営業利益は28%増益の22億円と好調。会社の通期計画に対する進捗率は29%と高い。


5月にメニューの値上げを行った後も客数に悪影響は出ていない。