不定期にFCビジネスについて解説中。主にフランチャイザーのビジネスモデルについて理解を促すことを目的としている。
業務スーパー/神戸物産のPB商品
今回は、神戸物産がFC展開している業務スーパー(業スー)のプライベートブランド(PB)商品について紹介したい。
業スー店舗は99%超がFC店であり、FC本部である神戸物産から商品の供給を受けている。ただし、生鮮品については店舗自身が独自に仕入れ、販売している。
業スーと言えば、牛乳パックデザートシリーズが大人気。定番の水ようかんは1kgの大容量にもかかわらず、店頭価格はたったの258円(!)。これはオリジナル商品であり、他の小売店では買うことができない。
商品の裏面を見ると、製造者は愛知県の豊田乳業(株)、販売元は(株)神戸物産と書いてある。豊田乳業は2013年1月に設立された食品加工会社で、神戸物産の100%子会社である。
業スーのオリジナル商品が圧倒的な価格競争力を有する一因は、神戸物産が食品加工を内製化していることにある。
このような業務スーパー専用の商品をプライベートブランド(PB)商品と呼んでいる。自社工場製品のほか、神戸物産が独自に輸入した海外製品もPB商品に含まれる。
イオンや西友のPB商品は、それぞれ「トップバリュ」「みなさまのお墨付き」と、明確なブランディングがなされているが、業スーのPB商品には共通のブランド名やマークなどは存在しない。
イオントップバリュのレトルトカレー。
西友みなさまのお墨付きのレトルト食品。
PB比率の推移
神戸物産はPB比率(FC店に対する卸売売上に占めるPB商品の比率)を開示している。
2018年10月期(17年11月-18年10月)のPB比率は30.01%。
2022年10月期上半期(21年11月-22年4月)のPB比率は34.74%。
この間、PB比率は4.73ppt上昇した。PB商品は、ナショナルブランド(NB)商品(他社製品)と比べて粗利率が圧倒的に高いため、PB比率の引き上げは利益率の改善をもたらしている。
業務スーパー事業の営業利益率は、2018年10月期に7.3%だったが、2021年10月期には8.7%、2022年10月期上期には8.6%と8%台後半まで改善した。
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