Valleys Of Neptune 検証
ジミの音源の販売権がソニーに移り、色々と目新しい動きがあるようですね。何といっても注目すべきは2010年3月にリリースされることになりました「VALLEYS OF NEPTUNE」。没後40年目の新譜です。
発売は3月9日...といっても、既にタイトル曲はPV配信されています(→ここ とか)。まあ、PVって言っても映像の出来は何だか微妙なようで。
さて、本アルバムに収録の「VALLEYS OF NEPTUNE」ですが、発表されている詳細では1969年9月23日と1970年5月15日に録音されたもの...とのことで、メンバーはジミの他にミッチ・ミッチェル(Dr)、ビリー・コックス(Ba)、ジューマ・サルタン(Per)とクレジットされています。
この辺について、少し私なりに検証してみましょう。新曲とはいえ、実のところ全くの未発表というわけではありません。これまでブートレグ、もしくはブートっぽい系譜から聴ける同曲には、いくつかのバージョンがあります。主だったところは以下のとおり。テイク毎に、仮にアルファベットで分別しましょう。
A---1969年2月22日(ギターのみ)
B---1969年2月22日(ピアノのみ!)
C---1969年9月6日(バンド編成)
D---1969年9月23日(バンド編成。ボーカルあり)
E---1970年5月15日(バンド編成)
F---1970年6月26日(バンド編成)
いっぱいあります(笑)。
まず「A」と「B」については同じ日ですが、これらはまだデモの中のデモ、かろうじて曲のコード進行が、何となくそれと思わせる程度のものです。
「C」は、この年8月にウッドストック・フェスティバルへの出演があり、この時の6人編成という布陣でのものです。ギターが2本聞こえるので、ジミがオーバーダブしていない限り、これはラリー・リーによるものでしょう(笑)。ゆったりとしたリズムで、ソロプレイものびのびと余裕が感じられ、どちらかというとジャムを楽しんでいるような風景が窺い知れます。
「D」になると先の「C」編成からラリーと、パーカッションのうちひとり、ジェリー・ヴェレツがグループから去ってしまいますが、このテイク、ベースもどうも聞こえなくて...ひょっとしたらビリーもバンド離れてナッシュビルへ去っていった時なのかも(笑)。先のテイクと比べると何とも寂しい限りですが、それを補って余りあるジミの生き生きとしたボーカルが聞けますっ! イントロはちょっとだけ「ウォッチタワー」っぽいです。
あと、このテイクに関しては一応公式扱いです。過去に、ラジオのオンエアーを編集したというアルバム「Lifelines」(日本未発売)に部分的に収録されていました(「Lifelines」に収録の件は、amazon(英語) に説明があります)。
期間が空いて「E」ですが、この間はバンド・オブ・ジプシーズもあったし、ひとまずこの曲のことは保留していたというところでしょうか。とはいえ正直言うと収録日がはっきり分かりませんでした。この日にした根拠は後述...。ジミ、ミッチ、ビリーのトリオによるインストです。「Angel」に似たイントロがあります。
「F」も3人によるインストです。この日のセッションでは、ギターとベースだけで、ジミがビリーにコード進行を指示しながら構成を確認していく様子も聞けます。この時ちょっとだけジミも(確認程度に)歌います。バンド演奏のほうは、少しテンポアップしていてコンパクトにまとまった印象があります。
今回発表された「VALLEYS OF NEPTUNE」がどうかというと、配信されている曲を聴いてみる限り、上記のいままでのソースから判断して、「E」の演奏に「D」のボーカルを被せたもののようです。収録日が2つというのも辻褄が合いますし(ということで、前述「E」の収録日は今回リリースの分を聞いて判断しました)。
2つの異なるテイクのピッチとテンポの違いを修正し、曲構成も合うように編集した、エディ・クレイマーの功績が大きな一曲、といったところでしょうか。
あくまで未発表であり未完成だった曲なので... 混ぜ物とはいえ、私はこれで充分だと思います。
リリースに踏み切ったことは、大いに評価していいんじゃないでしょうか。
先行発売中のシングルです。でも日本未発売なのが残念です。
