ヘンドリックス・イン・ザ・ウエスト
オリジナルリリースはジミの死から2年後となる1972年の、この作品。今では廃盤で、ヤフオクとかで高値取引されることがありますが、ここでの曲目は現在まで各種さまざまなアルバムに収録されてきており、単体ではあまり価値は無いのかもしれません。
「ヘンドリックス・イン・ザ・ウエスト」って、言うなれば「ヘンドリックス、西へ。」ってことでしょうか。でも、収録されているのはアメリカのサンディエゴ、バークレーとイギリスなので、西部の公演というわけではないのですが(笑)。
1.ジョニー・B・グッド (1970年5月 バークレー)
2.ラヴァー・マン (1970年5月 バークレー)
3.ブルー・スウェード・シューズ (1970年5月 バークレー)
4.ヴードゥー・チャイル (1969年2月 ロイヤルアルバートホール)
5.イギリス国歌 (1970年8月 ワイト島)
6.サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (1970年8月 ワイト島)
7.リトル・ウイング (1969年2月 ロイヤルアルバートホール)
8.レッド・ハウス (1969年5月 サンディエゴ)
アルバムの裏面クレジットに収録地が記載されていますが、「ヴードゥー・チャイル」と「リトル・ウイング」の収録地が記載間違いであるのは有名な話です。この2曲は上記のとおり、イギリスのロイヤルアルバートホールでのライヴなのですが、音源の所有権は当時マネージャーであったマイケル・ジェフリーの手には無く、わざと記載をサンディエゴとして世に出してしまったものです。
記載ミスは1989年のCD盤でも直っていません。アルバートホールの音源は、今でもアンオフィシャルなレーベルからのリリースですし、映像もブートでようやく見ることができるものなので、今後、ちゃんとした公式リリースを期待したいところです。
曲目は現在まで各種のアルバムに収録されてきた...とはいうももの、かなり聴きこみましたよ、このLP。
では、かいつまんで感想など。
まず「ジョニー・B・グッド」で幕を開けます。LPのライナーでは「リラックスしたオープニングナンバーで、いかにも楽しげなコンサート風景が目に浮かんでくる」とありますが、「リラックス」というよりは「ハイテンション」でしょ~、これ! 初めてこのLPに針を落としたとき、圧倒的なスピード感(速弾きということではない)に完全にヤラレました。で、のちに映像の方も見て再びヤラレましたね。1曲目にこれをもってくるのは実に的を得た構成ですね。実際にバークレーでは1曲目ではなく、ファイアの次でしたけど(笑)。
「ラヴァー・マン」は初期に演っていた「ロック・ミー・ベイビー」の発展形。歌詞もオリジナルに変わっていて、結構頻繁にライヴでは演奏されているナンバーです。
「ブルー・スェード・シューズ」は実際にはライヴ本番ではなく、バークレーでのサウンドチェック、つまりリハーサルからの収録です。メインリフがカッコ良いし、リハで流してるような感じでもなく、名演ではないでしょうか。でも、肝心のバークレー本番では演ってませんね、これ。(おいおい、ジミ!)
「ヴードゥー・チャイル」はノエル・レディングがベースをつとめるオリジナル・エクスペリアンスの演奏。最後はフェイドアウトしてしまいますが、ここからコンガ奏者などが入ってきて、「ルーム・フル・オブ・ミラーズ」の初期バージョンが繰り広げられているのが、ブート映像の方で確認できます。
LPではここからB面となる「イギリス国歌」。ワイト島での演奏は、久しぶりのイギリスということもあって、これをオープニングにもってきたんでしょうね。「サージェント~」にメドレーで続き、あっけなくフェイドアウト。実際には「スパニッシュ・キャッスル・マジック」に続いてるなんて、何年も分からなかったな~...
「リトル・ウイング」はサラッと演っているようで、実に奥深い名演、何度でもイケます(笑)! ジミ風バラード曲の全てがこの3分間にあると言っていいのではないかと。やはり、この曲は、この短さが良いんだと思いますね。
「レッド・ハウス」は先の「リトル・ウイング」と共にノエルがベースです。後期の、ビリー・コックスがベースを努める同曲とはまた違う感じです。この頃のエクスペリアンスは、インプロにかける時間が長く、結果、1曲1曲が相当長くなる傾向にありますね。ちなみにサンディエゴのライヴは、以前「STAGES」という4枚組CDの1枚として、ほぼフルで聴けたんですが、今では廃盤なのが残念なところです。
なんだかんだ、ほぼ全曲解説になってしまいました(笑)。
それでは、このへんで。

