教育格差、経済格差に続き、最近は体験格差というものをよく目にします。

子を持つ親としてはとてもしっくり来る内容でした。

体験格差とは

子ども達が学校の外で行うスポーツや文化、自然、社会などの体験機会の格差。

体験の有無がもたらす、認知能力・非認知能力への影響。

それらに関連してくる、将来的な所得の格差。

経済格差に伴う、教育格差については教育料無償など、様々対応が進められています。

一方で体験格差は目に見えにくく、それでいて大人になってから大きな影響を及ぼすものです。

世帯年収で比べると、

年収300万円未満の家庭の子ども　→　直近1年で体験活動を何もなし　33%

年収600万円以上の家庭の子ども　→　直近1年で体験活動を何もなし　10%

様々なアンケート調査の結果を細かく見ていくと、

子どもの頃「海や川で泳いだこと。夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」など、

豊かな自然体験をした人ほど、「人前でも緊張せずに自己紹介ができる。

けんかをした友だちを仲直りさせることができる。初めて会った人とでもすぐに話ができる」

といった人間関係能力が高くなっています。

また、子どもの頃「近所の小さい子どもと遊んであげたこと。祭りや地域清掃に参加したこと」など

地域活動の体験をした人ほど、「なんでも最後までやり遂げたい。経験したことのないことには何でもチャレンジしてみたい。いろいろな国に行ってみたい」といった意欲・関心が高いという相関関係が見られます。

個別の活動とそれによって得られるとされる力は一見関係がなさそうにも思えます。

しかし、考えてみれば、多くの人とかかわることで異なる年齢の人とのコミュニケーション力も身につくでしょうし、視野が広がるので、

経験したことのないことにもチャレンジしてみたくなるというのはうなずけます。

こうした体験を積み重ねていくことで、少しずつ自分に自信がついて、

自尊心や自立心、主体性や協調性といった社会を生き抜くための基礎的な能力が養われることになるのです。
そして、いろいろなことにチャレンジしようという意欲や関心が高まった結果、

最終学歴が高くなり、年収も高いという結果につながるのかもしれません。

しかし、残念なことに、体験の機会は年々減っているようです。

同じ調査では、とくに自然体験や友だちとの遊びの経験が、若い人ほど少なくなっています。
身近に自然に触れる機会や安心して遊べる環境がなくなっているなか、

子どもたちに体験活動をさせるのはなかなか難しいかもしれませんが、

将来にこれほどまでにプラスの影響があるなら、できるだけ機会を作ってあげたいですね。

子どもの体験格差をなくそうというプロジェクトもたくさんあります。

私はこういった活動を応援していきたいと思います。